アンセルモ・モレノを返り討ちにしとめて5カ月。
カルロス・カールソンを迎えて行われた山中“神の左”慎介12度目の防衛戦。
山中は1Rから積極的にパンチを繰り出し2Rに早くも相手の左目をパンチでカットさせる順調な立ち上がり。
試合は山中優勢のまま迎えた5R、神の左が炸裂しカールソン最初のダウン。
このままフィニッシュまで一気にいけると誰もが思いました・・・がしかし。
決して油断した訳ではないでしょうが、大きく振りまわしてくるカールソンの右をまともにもらって形勢逆転。
パンチ力のある選手はこれがあるから怖いです。
クリンチでかろうじてピンチを脱するというスリリングな展開。
勢いを取り戻したカールソンは6Rも捨て身の攻撃をしかけてきます。
しかし役者が1枚上の山中、またも左でダウンを奪ってカールソンの心を少しずつ折りにかかります。
そして迎えた7R、ダメージから回復した山中はこの回もカールソンに左をヒットさせて4度目のダウン。
こんどこそ勝負あったかと思いましたが本能で立ちあがるカールソン。
解説席で「ここで決めにいって欲しいですね」という長谷川氏。
その思いが通じたのか山中ラッシュ!
スピードあふれる左右のパンチを繰り出すとカールソン腰から崩れ落ち5度目のダウン。
ここでレフェリー試合をストップ。
具志堅氏の持つ13回連続防衛にあと1と迫る12度目の防衛が成った瞬間でした。
KO負けを喫したことがないカールソンでしたが、生涯初の屈辱を味わう結果。
今日の山中はカウンターを狙いすぎる訳でもなく、右も自然に出て終始冷静な試合運び。
途中ヒヤっとしましたが結局パウンドフォーパウンド9位の実力を如何なく発揮しました。
しかし、ここ数試合は不用意にパンチをもらう場面も目立ち、今後に不安を残します。
山中もいつのまにか34歳。
日本人世界王者最年長記録が長谷川氏の35歳9カ月。
少しでも長くチャンピオンでいるためにはパンチをもらわないことがとても大切です。
本人もファンも熱望していたラスベガス進出ですが、気がつけば山中自身がパウンドフォーパウンド9位。
バンタム級のレイティングでもチャンピオンで、試合後リング誌のベルトかけていましたね。
いずれにしても世界中から挑戦を受ける立場である訳です。
レイティング1位は亀田和毅の挑戦を2度退けたWBA王者ジェイムス・マクドネル。
2位がWBA2位、WBC11位ファン・カルロス・パヤノで3位がIBF王者リー・ハスキンスとなっています。
正直ひところの顔触れに比べバンタムはちょっと人材不足という印象が否めません。
この現状から考えると、山中本人は常々意識していないと言っていますが、ラスベガスでのビッグマッチよりも具志堅氏の防衛記録更新に自然と流れが向かうように思います。
ざっとバンタムの顔触れを見て対戦可能性が考えられる選手で最も警戒を要するのはWBC2位でシルバー王者、WBA6位、WBO8位、IBF14位と全てにランク入りしているメキシコのルイス・ネリ-だと思います。
見たいような怖いような・・・
果たして次戦、ひとつの節目の13回目の防衛戦。
どのようなマッチメイクが成されるのか今から交渉が注目されます、
山中慎介 29戦27勝(19KO)2分け
カルロス・カールソン 24戦22勝(13KO)2敗
ジェイムス・マクドネル 32戦29勝(13KO)2敗1分
ファン・カルロス・パヤノ19戦18勝(9KO)1敗
リー・ハスキンス 37戦34勝(14KO)3敗
ルイス・ネリー 22戦22勝(16KO)