日本人キラーと呼ばれるリボリオ・ソリスを迎えて行われた山中慎介10度目の防衛戦。前回難敵のアンセルモ・モレノを退けいよいよ念願のラスベガス進出かと思われましたが、そこはマッチメイクの難しさ。今回は前スーパーフライ級チャンピオンの肩書を持つソリスで何とか形を整えた印象です。結果は2度のダウンを奪われるも全体的には危なげなく大差判定勝利。今度こそビッグマッチ・・・?
ソリスは日本人キラーというよりも亀田大毅戦での減量失敗の印象が強いです。
それが大毅の負けても王座保持問題につながったこともありイメージが良くありません。
そんなソリスですがバンタムに上げて減量も楽になったのかあっさり計量をクリア。
「山中はガラスのアゴ」と豪語しタイトル奪取に意気込みを見せました。
試合は2Rに山中が右を合わせてソリスに膝をつかせるダウンを奪いますが、逆に3Rソリス曰くガラスのアゴに被弾し2度のダウンを喫する大ピンチ。
しかし右を当てたいソリスは攻めが単調になり、山中は冷静に対処。
ソリスは最後まで果敢に攻めてきましたが、ほとんど危なげはなく山中は対応。
最終ラウンドは山中がモレノ戦でも見せた嵐のような左右のパンチを繰り広げます。
顔面にパンチを受けたソリスは出血。
鼻が折れたのかと思いました。
結局ジャッジ3者とも10ポイント差の大差で山中の勝利。
10度目の防衛が成った瞬間でした。
しかしソリスが指摘した山中のガラスのアゴ。
これが証明されたという部分もありました。
モレノ戦に続きあわやというシーンを見せてしまったことで、次回以降対戦する選手は更なる研究を重ねてくるでしょう。
現在パウンドフォーパウンド9位の山中選手はWBCのチャンピオン。
ビッグマッチとくれば当然思い浮かぶのは統一戦。
WBAは統一王者がファン・カルロス・パヤノでレギュラー王者がジェームス・マクドネルですが、この二人は統一戦を行う予定で、その勝者は暫定王者の(ややこしい)ザナ・ザキヤノフと対戦が義務付けられているようです。
そうするとなかなか次回の防衛戦で・・・という事は難しい。
IBFはリー・ハスキンスでWBOはプンルアン・ソーシンユーですが、山中陣営は誰にターゲットを絞るのでしょう。
交渉が不調に終われば、WBC1位のスリヤン・ソー・ルンビサイとの試合を優先するかもしれませんね。
山中も33歳。
王者になって5年目を迎えようとしています。
今日の試合を見る限り、まだまだ現状の強さを維持できるでしょうが、1日でも早く山中が熱望するビッグマッチが実現して欲しいです。
WBCバンタム級王者 山中慎介 27戦25勝(17KO)2分
リボリオ・ソリス 28戦23勝(10KO)4敗1分
WBAバンタム級統一王者 ファン・カルロス・パヤノ17戦17勝(8分)
WBAバンタム級レギュラー王者 ジェームス・マクドウェル30戦27勝(12KO)2敗1分
IBFバンタム級王者 リー・ハスキンス 35戦32勝(14KO)3敗
WBOバンタム級王者 プンルアン・ソーシンユー 55戦(35KO)52勝3敗
WBCバンタム級1位 スリヤン・ソー・ルンビサイ 47戦40勝(18KO)6敗1分