WBCスーパーバンタム級2位亀田3号和穀が同1位アビゲイル・メディナとの暫定王座決定戦に勝って3年半ぶりに王座復活がなりました。
JBCは基本暫定王者は認めていませんが、今回は正規王者レイ・バルガスが肩の負傷で防衛戦が出来ない状況により設定された暫定王座戦なので、王者乱発を試みるWBAとは異なる・・・ということなのでしょうか。
正式に2階級制覇と認めているようです。
試合について
アベマTⅤでフルラウンド見ました。
元々3兄弟の中で最もセンスが良く、15歳からメキシコを拠点に活動していた逞しさも併せ持っている亀田和樹。
以前WBOでバンタム級王者に就いていますが、防衛戦も含め兄二人と違って誰が見ても和毅の勝ちとわかる内容でした。
過去、スポナビ時代に投稿した記事が残っています。
興味のある方はお読みください。
その後、井上尚弥が倒したWBA王者ジェイミー・マクドネルにWBOタイトルを返上して2度挑みましたが敗れて現在に至ってます。
話はそれますが、この時のWBAスーパー王者がファン・カルロス・パヤノで、井上尚弥はマクドネル、パヤノと連続で対戦し共に衝撃のノックアウトで勝利したのは記憶に新しいところ。
さて、和毅に戻ります。
ここまで19勝(10KO)3敗2分の戦績です。
ワイルドな風貌でなかなか迫力があります。
試合は1Rから亀田がスピードあふれる攻撃。
左のジャブやワン、ツー、スリーを上下に打ち分けるなど鮮やかに相手を捉えます。
時折放つ右も含めてパンチスピードはかなりのものです。
メディナも左右のパンチを振り回してきますが、これが全く当たらない。
亀田のディフェンス力は相当な物です。
パンチに対する反射神経が尋常でない感じで、これは天性の物だと思います。
実際メディナのパンチはかなり危険です。
一発もらうと一気に形勢逆転も有りえる威力。
6Rから少しずつメディナもペースをつかみかけ、亀田も被弾します。
ところが5Rまでポイントをとられていることが明らかなので気持ちが焦るのか、メディナの大振りが目立ちます。
それでも前に出て、左右のフック、アッパーなどパンチを繰り出すメディナ。
亀田も手数が少なくなりクリンチで逃げたり、防戦に回る姿も目立ってきました。
結局中盤以降亀田は、ラウンドの大半を防御に徹しながら時折放つ連続パンチで印象を五分に戻すなど試合巧者ぶりを見せます。
さすがに終盤はメディナにも疲れが見え、亀田が逃げ切って判定勝ち。
スーパーバンタム級で王座返り咲きとなりました。
試合の印象と亀田の課題
メディナも潔く亀田の勝ちを認めています。
実際亀田はスピードと防御で相手を上回りました。
なかなかの試合巧者。
しかし前半あれだけ優位に試合を運びながら、相手に大きなダメージを残すことが出来なかった。
特にスタミナに問題がある訳ではありません。
もちろんメディナも強い選手だとは思いますが、正直物足らない部分もありました。
これは亀田選手への期待度が高いということに他なりませんが・・・。
亀田和樹の試合は後半グダグダになるケースがあります。
パンチのスピードは申し分ないですがパワーが足りない。
これはバンタム時代から見られました。
相手選手がタフな場合、倒される恐れが少ないとわかれば反撃を許してしまいます。
スーパーバンタムともなれば強打の選手がそこかしこに居ます。
中盤以降の戦い方は大きな課題だと思います。
メキシコ遠征時代は名トレーナーに師事していたこともあります。
亀田家の結束はそれはそれで素晴らしい部分もありますが、ここはトレーナーを興穀から変えた方が良いと思うんですけどねえ。
まだ27歳。
その方が和毅の持つボクシングセンスがもっと活きるように思います。
精神的には興穀の支えは誰よりも大きいのでしょうが・・・。
亀田和樹を狙う対戦相手
世紀王者レイ・バルガス 32戦32勝(22KO)
WBC3位 ジェシー・マクダレノ 26戦25勝(18KO)1敗
シルバー王者 フランクリン・マンサニーリャ 22戦18勝(17KO)4敗
WBC4位 ディエゴ・デラホーヤ 21戦21勝(10KO)
やはり何と言ってもレイ・バルガスが最大の難敵でしょうね。
通常であれば暫定王者は正規王者と統一戦が義務付けられます。
従って肩の負傷が順調に回復していれば次はバルガス戦になると思いますが。
長引けば少し楽な相手と対戦を挟む可能性はあります。
それにしても亀田ファミリー。
興穀とランダエタの試合からもう12年も経ったんですねえ。
SNSなどによるバッシングのはしりとなったあの事件。
あのことがファミリーの絆をより固めたのでしょうね。
それはすごいことだと率直に思います。
亀田和樹 38戦36勝(20KO)2敗