影無茶のスポーツ24/7

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大相撲夏場所プレビュー 新旧交代の流れは加速するのか、それとも停滞か

風薫る5月。

本来夏場所は気候的に最も好ましい条件下での開催となる場所だ。

しかし昨今の温暖化等の影響により、4月から夏日続出。

明らかに環境が変わってきた。

地球環境はこの先どうなっていくのだろう。

そんな中行われる夏場所、私が注目する点をいつものように掲げる。

・尊富士の状態

照ノ富士の状態

琴ノ若改め琴櫻は綱への足掛かりをつかめるか

・新小結大の里と再小結朝乃山

・霧島は再び上昇気流に乗れるか

この5点。

先場所は尊富士が史上初の新入幕優勝。

14日目に負傷し、出場さえ無理と思われた千秋楽に出場して優勝を成し遂げたことで大きな盛り上がりを見せた。

しかしその代償は大きく、場所前の稽古もまともに出来ない状態。

出場は難しいのではないか。

無理して出場し、さらに患部を悪くすることは絶対に避けないといけない。

となると期待は新小結大の里ということになるが、場所前に降ってわいたいじめ問題が影を落とす。

土俵上で悪評を払拭する相撲を見せて欲しい。

こうなると、やはり今場所最も注目する力士は大関琴ノ若改め琴櫻となる。

春場所はやや不本意な10勝5敗。

二桁勝ったが尊富士、貴景勝、霧島に敗れ本人も当然納得していないはずだ。

今場所は綱取りへの足掛かりとなる13勝以上は上げて欲しいし、その力があるのは誰もが認めるところだ。

そこで心配は横綱照ノ富士の状態だ。

白鵬引退後長く一人横綱を務めているが、先場所の状態を見るとさすがに限界近しを思わずにはいられない。

場所前の状態はあまり良くないようで、出場は五分五分ではないか。

10回優勝をひとつの達成点として意識しているに違いないが、その判断に注目だ。

最後に復活目指す2力士。

ひとりは再小結朝乃山。

1年の謹慎期間はあまりにも長すぎた。

それでも三役迄戻ってきたのは力のある証拠。

しかし朝乃山も30歳。

ラストチャンスと思って頑張って欲しい。

もう一人は霧島。

春場所まさかの5勝10敗。

大関になって6場所。

全くらしさがなかった先場所だったが、千秋楽の琴ノ若戦はとても内容が良かった。

あの相撲を取れるなら今場所期待出来る。

奇しくも朝乃山、霧島は私が以前から綱候補として取り上げてきた力士。

まだまだ見限る訳にはいかない。

新旧交代の流れが加速するのか、それともベテラン勢がその勢いを止めるのか。

注目の夏場所は5月12日、いよいよ1週間後に初日を迎える。

 

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第64代横綱曙太郎さん死す 若貴兄弟と曙関が同時期に存在した奇跡

先週の木曜日、元横綱曙関が亡くなられたことが報道された。

まだ54歳という若さだった。

しかもここ7年は闘病生活をおくっており、現役時代の活躍を知っている者からすれば今回の報を受け、残念という言葉しか見つからないというのが正直な感想だろう。

思い出されるのは闘病中に放映されたテレビの企画。

花田虎上氏(若乃花)が入院している曙氏に会いに行くという物だった。

カメラに映る曙氏は表情が無く、視線も宙に浮いた状態でベッドに横たわっていた。

そこに花田氏が現れ、曙氏に近づいて声をかけたところ、曙氏の表情が明らかに変わり、生気が戻ってにこやかに花田氏を見つめたのだ。

記憶がよみがえったのだ。

共通の話題で話しが通じ、曙氏の嬉しそうな表情を見て、医学の壁を超えた奇跡を見た気がしたのを今も覚えている。

私が曙氏を見たのはその時のテレビが最後で、結局帰らぬ人となってしまった。

曙氏の死後、多くのメディアが曙氏の死去について報道し特集を組んだ。

一般の人も曙氏死去のことを知ると一様に驚き、現役時代を懐かしんでいた。

多くの人に愛された横綱だったのだ。

 

曙氏は昭和63年春場所初土俵

若乃花貴乃花も同じ場所で初土俵

ご存知のようにこの3力士は永遠のライバルとして横綱まで上り詰めた。

同じ初土俵の3人が横綱に昇進した例は記録を探ると、明治以降では明治43年1月初土俵常ノ花西ノ海、大錦と2例のみではないか。

異例のことなのだ。

若貴と曙関はお互いに切磋琢磨し激闘を繰り広げ、空前の相撲人気に沸いた。

新入幕は貴乃花が一足早く平成2年5月、若乃花と曙が平成2年9月。

三役は曙が最も早く平成3年3月、次いで貴乃花3年7月、若乃花3年11月。

大関昇進は曙が最も早く4年7月、貴乃花が5年3月で若乃花は5年9月。

ここまで3力士はほぼ誤差なく番付を上げたが綱取りは曙が滅法早かった。

最終的に3人共横綱になったが若貴にとって曙関は綱取りへの大きな壁となった。

有名なのは曙関と若貴兄弟が13勝2敗で並び、巴戦による優勝決定戦が行われた平成5年7月場所。

曙関が二人に連勝し横綱昇進後初、通算4回目の優勝を飾った。

この時貴乃花が優勝しておれば2場所連続優勝で横綱昇進は確実だった。

しかし昇進は見送られ、結局貴乃花横綱になるにはこの後8場所を擁する。

このように当時曙関はどちらかというと敵役的な役割に回ってしまったことになる。

しかし曙と若貴の激闘は永遠に語り継がれる名勝負のオンパレードだった。

この3人が同時期に存在していたのは正に天の配剤。

残念なのはこの3人が結果として誰一人角界に残らなかった事実だ。

こればかりは如何ともしがたい・・・。

曙の引退は平成13年1月場所後。

○通算幕内戦績 566勝198敗181休 優勝11回

横綱成績   432勝122敗166休 勝率.780

若貴との対戦成績(幕内本割の戦績)

貴乃花 21勝21敗 対若乃花18勝17敗。

外国人初の横綱として大相撲の歴史に永遠に残る。

 

最後に貼り付け可能なYouTubeから激闘4番勝負を。

 


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※本文中の記録は相撲レファレンスを参照させていただきました。

令和6年大相撲春場所 尊富士110年ぶり新入幕優勝の歴史的快挙 三賞も独占

大相撲春場所の15日間が終わった。

新入幕尊富士が史上最速、初土俵から10場所で幕内最高優勝の快挙で幕を閉じた。

今場所は尊富士に尽きる。

尊富士の強みはそのスピード。

立ち合い素早く相手の懐に入り、組もうが組むまいがそのまま押し切って勝つ。

勢いは止まらず大横綱大鵬の記録に並ぶ新入幕11連勝。

12日目に豊昇龍に土俵際逆転の小手投げを喰らい初黒星を喫するが、13日目若元春に勝って12勝1敗として優勝に王手をかけた。

これで世間は大騒ぎになったが本当のドラマはここからだった。

伯桜鵬、熱海富士、大の里とあと一歩で成せなかった新入幕優勝。

ついに尊富士が新入幕優勝か!と思われた14日目。

番付編成でSTOPザ尊富士に指名されたのは朝乃山。

かつて綱を目指し順風満帆だった朝乃山。

その勢いを止めたのは尊富士の兄弟子照ノ富士だった。

朝乃山にそんな思いがあったかどうかは知る由もないが壁として立ちはだかった。

それだけではない。

取組後足を引きずる尊富士。

後に頭が真っ白になったと語った尊富士だが、その時明らかに表情が曇った。

花道を車椅子で退場する姿を見た時、誰もが千秋楽は相撲を取れない。

そう思ったはずだ。

過去怪我に泣いた有望な力士をどれだけ見てきたことか。

これだけセンセーショナルに勝ち進んできた尊富士まで・・・。

角界は呪われてるのか思ってしまった。

しかし千秋楽。

尊富士は土俵上に姿を見せた。

横綱から、お前なら出来ると言われた・・・」

「これで後悔したら一生悔いが残る・・・」

前日まで貼っていた背中のテーピングはなかった。

相手はこれも若手の成長株豪ノ山。

立ち合い一気の攻めは出来なかったが気力で最後は押し倒した。

長く記憶に残るであろう尊富士の幕内初優勝。

優勝インタビュー「記録も大事だが皆さんの記憶にひとつでも残りたくて・・・」

十分記憶に残り続ける見事な土俵だった。

祈るのは怪我をおして出場したことで、将来に悪影響が残らないことだけ。

かつて貴乃花が、稀勢ノ里が、怪我をおして強行出場したことで引退を早めた。

そんなことが無いように、まずは痛めた足をしっかり治して欲しい。

角界の宝なんだから。

 

次に総論。

場所前プレビューで書いた私の注目点は以下の4点。

・新大関琴ノ若

照ノ富士10度目の優勝成るか

・綱取り再挑戦の霧島

・大の里、熱海富士に新入幕尊富士、世代交代が進むか

琴ノ若は10勝5敗。

大関で二桁はまずは合格点だったと思う。

大関の重圧か5日目までに2敗。

しかしそこから立て直して5連勝で10日目に勝越しを決めたが11日目に尊富士の勢いに呑まれてしまった。

対戦した3大関の内、霧島と貴景勝に敗れたのもいただけないが、これを糧に来場所以降は重量感あふれる相撲を見せてくれるだろう。

引き続き綱候補1番手の評価は変えない。

照ノ富士はまさかの3日連続金星献上。

先場所の強さが嘘のような出来だった。

当然のように途中休場。

先場所が燃え尽きる前の最後の炎でなければ良いのだが・・・。

霧島はまさかまさかの負け越し。

初日に負けて全てのリズムが狂ってしまったか。

13日目で3勝10敗という信じられない成績。

どうなってしまうのかと思ったが千秋楽の琴ノ若戦で来場所につなげる勝ち方。

この相撲を忘れずに来場所につなげて欲しい。

そして最後が世代交代が進むのか。

これについては今場所一気にその芽吹きを感じることが出来た。

尊富士の優勝、大の里も幕内上位で11番の勝利。

豪ノ山も二桁かち、熱海富士も難しい位置で勝越し。

世代交代の旗手琴ノ若も新大関で二桁勝利。

この1年で3力士の新大関誕生。

いずれも上を目指せる大関だ。

照ノ富士にいよいよ引退の2文字が見えてきそうな今年。

風薫る夏場所は番付発表4月30日、初日5月12日。

どんなドラマが見られるのか。

大相撲が面白い。

 

 

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大相撲春場所 尊富士は柏戸だ 10日目大の里と対戦

大相撲春場所は9日目が終わって新入幕の尊富士が勝ちっぱなし。

新入幕力士の初日からの連勝記録を伸ばしている。

これを追う1敗にこれも新鋭大の里。

2敗に大関貴景勝、琴の若に平幕湘南乃海の3力士と言う状況。

先場所、力の違いを見せつけた横綱照ノ富士がまさかの3日連続金星献上で休場。

綱取りならなかった霧島も3勝6敗と黄泉の国から喝!が聞こえてきそうな成績。

2敗力士までの相撲内容が3敗以下の力士に比べて(当たり前だが)とても良いので、優勝は5力士に絞られたと言って良いだろう。

尊富士はとにかく立ち合いのスピードが速い。

このスピードが尊富士の魅力だろう。

もはやオールドファンしか知らないと思うが柏戸関を思い出した。

身体つきもキン肉マンのようで最近にいないタイプだ。

初土俵から9場所の成績65勝8敗の勝率8割9分は驚異的。

相撲界の藤井聡太だ。

その尊富士が今日10日目に大の里と対戦が組まれた。

大の里のスケールの大きさは誰もが認めるところで、将来の千秋楽結びで幾度も優勝を争うことになるかもしれぬ記念すべき初取組ということなのかもしれない。

この結果が優勝争いに大きな影響を及ぼすのでそういう意味からも見逃せない一番だ。

来場所から琴桜琴櫻?)の名を授かる琴ノ若も後半内容が良くなってきた。

前半は新大関の重圧があったのかもしれないが、早くもそれを脱したようだ。

今場所優勝なら来場所一気に綱取り場所となる。

8度目のカド番を戦う貴景勝

見る限り最近では一番相撲内容が良いように思う。

あからさまに引くこともなく慎重ではあるが前に出る意識が強い。

大関在位28場所で優勝4回準優勝8回の実績は他の4力士を圧倒しており、経験を活かして5度目の賜杯ということも十分あり得ると思う。

明日以降尊富士をどこまで役力士と番付を組ませるか。

最近は幕内下位でも優勝を争う力士は大関陣との対戦も組まれるので、尊富士対琴ノ若、尊富士対貴景勝、などが見られるかもしれない。

大の里も5枚目なので今後は上位陣との対戦ばかりとなる。

先場所は上位陣の壁に阻まれたところもあったが今場所は果して・・・。

大相撲は完全に新旧交代の波が押し寄せている。

今まで角界を背負ってきた力士が壁となってくい止めるのか。

それともニューウェーブがこのまま台頭して新しい時代を迎えるのか。

今年ついにその答えが出る。

 

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大相撲春場所プレビュー 復活した横綱照ノ富士に挑む新大関琴ノ若と先輩3大関

初場所が終ったと思ったらもう春場所

月日が経つのはほんとに早い。

場所前に北青鵬のいじめ、暴力行為が発覚し事実上の解雇。

親方の宮城野には2階級降格という不祥事。

角界に暗い影を落とした。

そんな中で始まる春場所

今日は春場所プレビューを投稿する。

今場所私が注目するのは以下の4点。

・新大関琴ノ若

照ノ富士10度目の優勝成るか

・綱取り再挑戦の霧島

・大の里、熱海富士に新入幕尊富士、世代交代が進むか

この4点だ。

初場所横綱照ノ富士が格の違いを見せつけて復活の優勝。

これほど他の力士と差があるのかと衝撃を受けた。

令和4年7月場所以降2場所連続で皆勤したことがないが、今場所は5年ぶり再開の住吉大社の土俵入りも勤め上げ、出場してくればやはり本命。

照ノ富士を追うのは番付的に大関だが、中でも注目は何と言っても新大関琴ノ若

春場所後に琴桜四股名を継承するとのことで当然目標は優勝。

余談だが最近解説を休場している北の富士氏の元気な姿を一刻も早く見たい。

北の富士琴桜は現役時代に幾度も対戦しており、晩年強くなった琴桜の強烈なのど輪に横綱北の富士が苦しんだことがよみがえる。

当時の話も聞きたいし北の富士氏にはまだまだ解説を続けて欲しい。

その琴ノ若

急激に力を付けており、その言動、取組内容を見ても心技体の充実がうかがえる。

照ノ富士には全敗だが、琴ノ若にはその壁を乗り越えるだけのポテンシャルがある。

先場所綱取りに失敗した霧島との綱取り争いは見物だ。

先場所新入幕で大物ぶりを見せてくれた大の里。

初日こそ緊張からか引く場面も見られたが、場所を通じて大物ぶりを発揮。

今場所は10枚番付が上がり上位陣との対戦が続く。

昨年名古屋場所の伯桜鵬、秋場所九州場所の熱海富士、そして初場所の大の里。

若手力士の台頭が著しく、今場所の尊富士も含めて角界の世代交代が急だ。

14場所続いている照ノ富士のひとり横綱

ネクス横綱候補も現れてきたが、関脇以下中堅力士はまだまだ上を目指すには絶対的な強さが足りない。

先ほど掲げた若手力士によって一気に世代交代が進むのか、大栄翔、若元春、朝乃山、阿炎、高安あたりが踏ん張れるのか。

大きな変動が予想される今年の大相撲。

春場所はひとつのターニングポイントになるかもしれない。

見逃せない春場所は3月10日初日を迎える。

 

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