優勝決定戦にござりまする~
38代木村庄之助の触れが響く。
13勝2敗の相星決戦だ。
今場所照ノ富士に立ちはだかった霧島と琴ノ若は過去一度も照ノ富士に勝っていない。
それだけではない。
豊昇龍も朝乃山も照ノ富士には歯が立たない。
押し相撲には不覚を取ることがあるが四つの相手にはほとんど負けない。
これが照ノ富士の強さなのだ。
休場明けだったが日を追うごとに内容が良くなった照ノ富士。
まだまだ大関以下の力士にとって大きな壁であり続けられる。
そう思わざるを得ない強さだった。
優勝インタビューで膝や腰の故障について問われた時の返し。
「病気じゃないので。怪我は痛いだけなんで・・・」
この言葉凄いと思った。
この言葉に勇気づけられる人は多いと思う。
決定戦で敗れた琴ノ若だが堂々の成績。
大関昇進は確実な情勢。
ここ数場所での成長力には驚くばかりで一気に素質開花だ。
決定戦後のインタビューでは負けた悔しさ露わで、まだまだ強くなると確信した。
霧島は14日目と千秋楽の負け方が悪すぎた。
軽量力士の悲哀で照ノ富士には土俵外に吹っ飛ばされてしまった。
それでもこれを糧にまだまだ強く慣れる力士なので引き続き応援したい。
琴ノ若との綱取り先陣争いは見ものだし、今後の展開によっては久々に同時横綱昇進の可能性も有り得ると見ている。
さて私は今場所のプレビューで以下の4項目を注目点として掲げた。
ひとつずつ検証したい。
まずは大関霧島の綱取りだが、可能性は極めて高いと書いた。
結果は残念ながら今場所での綱取りはならなかった。
綱取り場所の緊張もあったと思うが今場所を教訓として綱を目指して欲しい。
照ノ富士についても前述したが、本当に強い。
膝に爆弾を抱えているが出場場所は横綱の責任を果しており見事としか言いようがない。
この1年間で完全にブレイクスルー。
勢いに乗って横綱まで昇進する力士を何人も見てきたが同じ物を感じる。
最後に若手力士の台頭については今場所も新入幕大の里が11勝4敗。
このところ続く新入幕力士の大活躍が今場所も大の里により継続された。
2場所連続優勝争いに加わった熱海富士はさすがに上位の壁にぶち当たった。
誰もが通る道なので、次に上位に上がってきた時に真価が問われる。
伯桜鵬も幕下で6勝1敗と復活。
無理せずに怪我を直しての出直しは必ずプラスに働くだろう。
熱海富士、大の里、伯桜鵬に豪ノ山を加えた出世争いは見物だ。
来場所は大関4力士となり綱取りも激化する。
三役には若元春が返り咲くし、阿炎もよく勝越してこれまた返り咲くだろう。
朝乃山は千秋楽の負けで筆頭に留まるだろうが、途中休場する前は強さが戻ってきていたと思う。
1年のブランクの大きさを感じるところだが、まだま見限ることは出来ない。
頑張って欲しい。
来場所は大阪場所。
番付発表2月26日
初日 3月10日
千秋楽 3月24日
あっという間にやってくる。