大相撲名古屋場所が終った。
結果はご存知の通り3関脇による大関サバイバルレースからひとり抜け出した豊昇龍が優勝決定戦を制し賜杯と大関を手中に収めた。
残る大栄翔と若元春はまさかの9勝止まり。
この成績と相撲内容では大関とりは両力士とも来場所1から出直しだ。
3関脇の結果と今場所の相撲内容を見るとどうしてもモンゴル力士と日本人力士の精神力の違いを感じてしまう。
番付的にも横綱照ノ富士、大関霧島、豊昇龍となり貴景勝以外はモンゴル勢だ。
もちろん相撲に国の違いは関係ないと思っているが、ここ一番の勝負強さに日本人力士が弱いのは結果を見ても明らかだ。
豊昇龍については先場所までは気持ちが入りすぎて空回りすることがあった。
さらに一度リズムを崩すと尾を引いて連敗することもよく見られた。
それが今場所はなかった。
序盤の取組を見ていつものように表に気合が出ていないと思ったりもしたが、逆にそれは成長の証だったんだろう。
まだ24歳。
さらなる成長を見せてくれることだろう。
忘れてはならないのは錦木と北勝富士に何と言っても伯桜鵬だ。
前半のヒーローは錦木で琴ノ若以外の役力士全てに勝利。
当然の殊勲賞だ。
北勝富士も優勝決定戦で豊昇龍に敗れはしたが本割では仕切り時からみなぎる気合を見せて見事に勝利。
残念ながら初優勝は成らなかったが最後まで土俵を盛り上げた。
盛り上げたと言えば若干19歳伯桜鵬も大器ぶりを見せつけた。
デビューから4場所の成績が42勝10敗の勝率8割7厘!
驚異的な数字だ。
幕下、十両を3場所で通過しての新入幕は伊達ではなかった。
伯桜鵬だけではない。
新入幕3力士が全て二桁勝利というのも新時代到来を強く印象付ける。
今場所は何かと話題の多い場所だったが期待通りの面白い場所だった。
三賞受賞者が史上最多7力士だったのもその表れだ。
これから力士たちは長い夏巡業に入る。
途中休場しながら再出場した12日目から千秋楽まで4連勝で勝越した朝乃山。
小結で11番勝った琴ノ若を含め大栄翔と若元春による新たな大関争いも始まる。
秋場所は9月10日初日。
日焼けした力士たちの熱戦を期待したい。