風薫る5月。
大相撲的には1年の内で最も気候が良い時期の開催だ。
暑すぎるのも寒すぎるのも体調万全でない力士には辛い。
そんな夏場所は話題が結構詰まっていた。
2.関脇霧馬山の大関とり。
3.幕内復帰の朝乃山。
4.好調関脇陣の大関争い。
5.令和の怪物落合。
なかなか見どころ満載だ。
結果はご存知の通りだ。
上記に掲げた5個の見どころは概ねすべてがほぼ合格点と言って良いだろう。
これも気候が良い5月場所のなせる業なんだろうか。
まずは照ノ富士を上げなければなるまい。
元々膝に爆弾を抱えてしまった力士。
幕下まで落ちて地獄を見たのに横綱まで上り詰めた。
いつ膝が壊れてもおかしくない状況だが在位11場所で優勝4回。
休場(途中休場含めて)が5場所あるので皆勤6場所中4度の優勝は素晴らしい。
照ノ富士在位11場所は全て一人横綱(令和3年9月は白鵬が全休)。
ひとり横綱の重圧は大変だったと思うが、十分責任を果していると私は思う。
正直今場所優勝するとは思っていなかったが執念で賜杯を掴み取った。
霧馬山もすっかり地力がついてきた。
11勝4敗で大関昇進は確実だ。
毎回自慢するようで忍びないが、私は霧馬山をネクスト横綱の内のひとりに掲げたのはかなり早かった(と思う)。
霧馬山は身体が大きくなってきて(と言っても小兵の方だが)安定感が増した。
スタミナもあるし、相撲勘が良い。
組んでも行けるし足技もある。
今後はスピードを増して早く勝負を付けられるような相撲が増えてくると綱も見えてくると思う。
次に朝乃山だが照ノ富士に気迫で負けていた。
彼はここ一番という相撲に弱いのが問題だ。
しかし今場所は照ノ富士に敗れた後の二日間勝ち星を上積み出来た。
これは成長と思いたい。
本格的な四つ相撲を取れる力士であり、稽古を重ねて壁を乗り越えて欲しい。
その先に見えるのは横綱だ。
夏場所は4関脇が全て二桁勝利。
全員が勝ち越すだけでも難しいと思われるのに4人すべて二桁なんて過去にあったんだろうか。
まず霧馬山が大関昇進となるが、残り3関脇も全員が名古屋場所は大関とりとなる。
上を目指す力士にとっては千載一遇のチャンスなのは間違いない。
上記関脇に加えて、琴ノ若、阿炎、朝乃山あたりには何が何でもの気持ちで上を取りに行って欲しい。
そして最後が令和の怪物と称される落合だ。
名古屋場所では遠藤関と並ぶ史上最速3場所での新入幕が確実。
何と言っても相撲っぷりが良い。
決まり手を見てもここまでの31勝中寄り切りが最多で12番。
これは本格的な四つ相撲ではないか。
まだ19歳。
体格も良く身体も柔らかそうで怪我もしにくいように感じる。
夏場所は稽古で痛めた肩をテーピングで固めていたがそれで14勝。
四股名も伯桜鵬(はくおうほう)と決まったようだ。
ますます強くなってこの四股名が相応しく聞こえてくる日はすぐそこかもしれない。
様々な見どころがあった夏場所。
来る名古屋場所は番付発表6月26日、初日は7月9日だ。
※記録面は大相撲レファレンスを参照させていただきました。