大相撲秋場所12日目が終わった。
前頭15枚目熱海富士が2敗で単独トップ。
これを3敗で大関貴景勝と元大関高安が3敗で追う展開になっている。
ここには霧島も豊昇龍も大栄翔も若元春も琴乃若も朝乃山も阿炎もいない。
なんだこれは。
上に掲げた力士の内、誰も優勝争いに名前が上がらないなど想像もしなかった。
霧島は覇気がなく上を狙う勢いを全く感じない。
豊昇龍は今場所下半身が軽い。
大栄翔は12日目時点で一番状態が良いように見えるが序盤が悪すぎた。
若元春も相変わらず負けっぷりが悪い。
琴乃若は何故6勝6敗という星なのか不思議でしょうがない。
朝乃山は初日、2日と難敵相手に連勝したのに翌日から4連敗は相変わらず勝負弱い。
阿炎は勝ち越しはしたものの相撲内容に批判が多い。
結局あれだ、あれと言っても岡田監督のあれではない。
今の大相撲界は突出して抜け出るような力のある力士は居ないのだ。
いや、しかし相撲自体は面白い。
実力差がないために白熱の戦いを見ることが出来る。
それが悩ましい。
今の状況ではたまたま大関までは昇進できても、横綱なんて無理な相談なのだ。
現に今幕内には元大関が4人もいるのがそれを表している。
3場所ならば連続二桁勝利は可能でもその後大関になってから2場所連続13~15勝出来る力士はいないということだ。
年間最多勝の変遷を見ればわかる。
かつては年間最多勝ともなれば悪くても70勝台、強い横綱がいれば80勝台も珍しくなかった。
ところが、白鵬が衰えを見せ始めた2015年以降70勝台は2021年の照ノ富士のみで、2017年以降はその照ノ富士以外は全て50勝台で年間最多勝を取れている。
今年も12日目を終えた時点でトップは大栄翔の49勝。
もし大栄翔が60勝台に乗せて年間最多勝を取れた場合は大関昇進が成るだろう。
今場所も残るは3日。
13日目に2敗の熱海富士と3敗の貴景勝が直接対決するので、貴景勝が勝てば4敗力士にもチャンスが出てくることになる。
逆に熱海富士が勝てば残り2日間で星二つの差ということで初優勝が濃厚だ。
先場所新入幕の伯桜鵬が最後まで優勝戦線に残り話題になったが、熱海富士も再入幕とは言え若干21歳。
新鋭対ベテランの構図のまま千秋楽に流れ込むのか4敗力士を巻き込んで大混戦となるのか、残る3日間は目が離せない。