少し日が経ったが備忘録として総括的なことを書かせていただく。
大相撲秋場所は大関貴景勝が11勝4敗で今年初場所以来4度目の優勝を飾った。
4敗力士の優勝は15日制になってから僅かに4回目だそうだ。
4敗ともなれば数人が並んで、トーナメント、あるいは巴戦での優勝決定戦になっても不思議ではないが、結局貴景勝と熱海富士両力士による決定戦で決まることになった。
熱海富士は14日目に単独トップに立ち、千秋楽勝てば12勝3敗で単独トップのまま優勝だったが、朝乃山に敗れてしまった。
熱海富士以外の4敗力士はこの熱海富士の敗戦を見てからの取組だったので、普通なら何が何でも勝利して決定戦に臨みたいと思い、力を出せるはずだ。
ところが同じ4敗の北青鵬が豊昇龍に、高安も霧島に敗れ5敗に後退。
北青龍は外国人力士扱いにはならないがモンゴル出身なので勝越しが掛かった豊昇龍に意識せずとも遠慮があったのかもしれない。
高安はこういった大一番には本当に弱い。
一度優勝の美酒を味わってほしいと願っているが、またもチャンスがスルリと逃げ出してしまった。
結局4敗同士の大栄翔と貴景勝の取組で勝った貴景勝が決定戦に進んだ訳だ。
その決定戦での貴景勝の相撲内容が批判を浴びた。
立ち合い僅かに左へ変化を見せた貴景勝が熱海富士の当たりをかわしてはたき込み。
これに熱海富士は体制を立て直せず土俵に落ちてしまったのだ。
これに非難ごーごーな訳だが、今の幕内はそれほどに上位下位に力の差が無いのだ。
ひと昔前のように横綱、大関は格下相手に対して立ち合いの変化などせず、正面から受けて立って、それでも最後は勝てるだけの力量差があった。
しかし今は少し油断すれば大関でも簡単に負越し、さらには大関陥落も珍しくない。
大関からしてそういった状況なんだから関脇以下、前頭なんて番付が激しく上下動するのはあたりまえなのかもしれない。
貴景勝も本当は立ち合いの変化などしたくないに決まっている。
しかし優勝がかかっている大一番で、台頭著しい若手力士に正攻法で負けるより、奇策と言われても勝つことが大関としての地位を保てると考えたとしても不思議ではない。
おそらく今の状況では横綱はしばらく現れないだろう。
その分力の差が接近しているだけに相撲自体は見ていて面白い。
しかし、横綱はなかなか現れないが全体として相撲内容は面白い今の状況と、強い横綱が東西に居て、最終的には大関含めて両横綱が千秋楽まで優勝を争う状態とどちらが大相撲にとって相応しいか・・・。
私は断然後者の状態が望ましいと思うのだが。
決定戦の内容や11勝での優勝がいろいろ言われているが、結局貴景勝は来場所横綱を賭けての場所となるだろう。
もちろんそれにはかなりの成績(14勝以上)が必要となるだろうが、目標に向かって突き進んで欲しい。
その他の力士については13日目に投稿した内容とかぶるので割愛させていただく。
1年納めの九州場所は初日11月12日千秋楽11月26日で開催される。