フィギュアスケートカナダ選手権男子。
当然の事ながらパトリックチャンが優勝した。
何と273・75点!
グランプリシリーズや、世界選手権等に比べ国内選手権は得点が出やすいのは常だが、
今シーズンやや不調だったにしてはかなりの高得点だ。
その昔、技術点とプレゼンテーションの2部門を各6点満点で採点されていた時代、
採点はとてもわかりにくかったが、今はもっとわかりにくくなっている。
大会によって点数の出かたにばらつきがありすぎるのだ。
採点方法が今のような形に変更になってしばらくはまだ正当な評価がされていたように思うが、
バンクーバーを前にしたあたりに突然回転不足がとても厳しく取られるようになり、
それが大会事に厳しくなったり、甘くなったりしたものだからもう訳が分からない状態に陥ってしまった。
さらには選手のネームバリューと言うか、政治的な駆け引きのような物までが採点に影響を与えているのではないかと言う疑惑まで見る者にあたえてしまうようになってからは、もう何を信じたらよいのかわからないって感じになってしまった。
さらにはバンクーバーに向けてどんどん回転不足を厳しく取っていたのに、
バンクーバー本番では急に基準が甘くなった記憶がある。
バンクーバーでは必ずしも4回転を跳ばなくても
全体的にミスをせずに滑り切った方が高い得点をもらえるという部分があった。
4回転を飛ばずに完璧な演技を見せたライサチェクが金。
4回転を成功させたのに銀に終わったプルシェンコ。
4回転は失敗したが高い芸術性で観客を魅了した高橋が銅。
ある意味バンクーバーは将来のフィギュアの方向性を定める分岐点であったとも言える。
話を戻すと、パトリックチャンはバンクーバーまでは安定しては4回転を飛べない選手の一人だった。
と言うか失敗の方が多い選手だった。
しかしオリンピックの翌年パトリックチャンはほとんど4回転を失敗しない選手に急成長した。
2011年の世界選手権で見せた彼の演技は確かにパーフェクトで
誰も文句がつける事の出来ないぶっちぎりの優勝だった。
2012年の世界選手権も優勝。
ここらあたりの得点の高さははっきりいって異常とも思える物だった。
ちょっと異常なまでのインフレ得点。
言ってしまえば、戦う前にある程度順位が予想出来てしまう程だった。
早くも来年はソチオリンピック。
今年はとても大事なシーズンだ。
果たして世界選手権でチャンはどこまで仕上げてくるのか。
迎え撃つ高橋、羽生、無良。
世界選手権は出場できないが、当然本番を狙ってくる、エリートスケーター小塚。
ぶっちぎりの層の厚さでチャン包囲網をしく日本男子スケーター陣。
はっきりと言えるのはバンクーバーと違い4回転を跳ぶ事は最低条件になっている事だ。
その上で、演技の構成の上手さ、出来栄え、振付、役作り。
これらの要素をどこまで高めていく事が出来るのか。
ソチはもう目の前だ。