影無茶のスポーツ24/7

ルール知らなくても面白く読んでいただけることを目指します

禁断の言葉を言わせてしまった国別対抗

浅田選手の口から出た衝撃発言。

既にスポーツ各紙は「引退」と大きく活字にしている。

ほんとに国別対抗なんてなければ、こんな疲れた浅田選手を見る事もなければ、プレシーズンの最後の最後にこんな言葉を聞く事もなかったんだ。

確かにうすうすだが多くの人が浅田選手はソチを最後に一線を退くのではと・・・感づいていた・・・と思う。

しかし疲れ切った状態でネガティブ発言とも取られるこのタイミングで言うべきではなかった。

実際多くの人は(スポーツを問わず)ちょっとした状況で何度でも辞めたいと思うものだ。

しかし有名選手の場合いったんそれを口に出してしまったら、

それはもう既定路線として一人歩きを始め、道が出来上がってしまうのだ。

引退を翻したら、本来は喜ぶべき事なのに「なんだ、辞めないのかよ・・・」って事に必ずなってしまう。

だから軽々しく言ってはいけないのだ。

言わせてはいけないのだ。

浅田選手は見た目は、何というか天使のような優しい、それこそ勝負の世界には向いていないような(うまく書けない!)感じだが、それはもう大の、大の負けず嫌いのはずだ。

まあスポーツ選手なら誰もがそうであるが、浅田選手は見た目がそれほどに見えないのでギャップが大きい。

忘れられないのは、東京で開催された2007年の世界選手権。

浅田選手はフリーで素晴らしい演技をしてトップに立ち、優勝確実となった。

キッスアンドクライでも優勝を確信したような表情だった。

ところが最後に滑った安藤選手がほんの僅か逆転して浅田選手は2位に留まってしまったのだ。

その瞬間インタビューフロアにいた浅田選手はもう何もしゃべれないほど泣き崩れてしまうのだ。

アナウンサーが何を聞いても嗚咽だけ。

よほど悔しかったんだろう。

その浅田選手が今年、ようやく復調してきて臨んだ世界選手権。

トリプルも飛べてある程度自信を持って臨んだはずだが、休み明けキムヨナに敗れた。

成長した浅田選手は2007年のように泣き崩れる事はなかったが、心中穏やかではなかったに違いない。

世界選手権でピークを作り、その後は精神的にも切れているはずなのに、国別対抗だ。

すでに体力的にも精神的にも限界だった事だろう。

結果、全く満足いく演技が出来なかった浅田選手。

それがあの発言を生み出してしまった要因だ。

大事なオリンピックシーズンは、GPシリーズのはじめから引退の二文字が付きまとい、テレビ局は本人の意思などお構いなしに争奪戦を繰り広げる状況に陥ってしまう。

何のプラスにもならない。

ソチで金メダルを取るにあたり、大きなハンデを背負ってしまった。

出来る事なら2日前に時間を戻したいが、それは出来ない。

何という事だ・・・。