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内山高志対ジョムトーン、世界スーパーフェザー級タイトルマッチ感想

世界スーパーフェザー級スーパー王者、内山“KOダイナマイト”高志10度目の防衛戦。

既にその強さは天下に知れ渡り、WBAからスーパー王者の称号を冠されるほどですが、それはすなわち常にそれ相応の試合ぶりが求められてしまう存在だと言うことです。

そんな内山の前に立ちはだかるのは元ムエタイ王者で9戦全勝のジョムトーン・チューワッタナ。

日本選手との対戦もありますが、どれほどの選手なのか正直よくわかりません。

試合ビデオを見ると、とても冷静な印象で、ここぞという時に繰り出すパンチは早くて重そうです。

内山選手にとってはいろんな意味で難しい相手です。

とてつもなく強いかもしれないが、内山勝って当たり前って雰囲気もあります。

強い選手なら誰もが望む本場ラスベガスでのビッグマッチ。

彼も早や35歳。

残された時間はそう多くはありません。

しかしマッチメイクは難しい。

賀茂川の水、双六の賽、山法師が如くなかなか思うがままになりません。

けれどもそれを実現するためにも、目の前の試合での負けは許されません。

そういう意味でジョムトーンはとてもリスキーな相手に思いました。

テレビは明らかに録画放送。

絶対にパソコンは見ないで臨むと心に決めたテレビ観戦。

しかし、試合がなかなか始まりません・・・。

テレビ局作成のVTRを延々と流している。

あっ!、これは決着早いんだなあっていうのは想像出来ました。

でもどっちが勝ったのかは正直わかりませんでした・・・その時点では。

けどもそれはすぐにわかりました。

1R、しばらくはお互いに距離を測りながらタイミングを確認していましたが、突然内山が右ストレートを一閃。

さらに追い打ちのワンツーでロープに吹っ飛ぶジョムトーン。

「5Rまでに倒す」

「若い時は確かに素晴らしい選手だったが彼はもう年だ」

など試合前には言いたい放題だったジョムトーンでしたが内山の強烈なパンチを浴びて、すっかりおびえた青年のような表情になってしまいました。

2Rに入りさすがにジョムトーンもパンチを繰り出してきてスケールの大きさの片鱗が見えましたが、内山冷静にこれをかわしながら迎えた1分過ぎ、またも内山の右がさく裂。

ワンテンポあってガクッと膝から崩れ落ち、あおむけに倒れるジョムトーン。

ほとんど失神状態ですぐさまレフェリーは試合をストップしました。

正にダイナマイトパンチ。

昨年は1試合だけしか出来なかった内山選手ですが、今年は順調にここで1試合を消化。

新年の抱負で今年は3試合くらいを目標にしたいと語っていましたが、防衛回数よりいよいよ統一戦の実現を狙って交渉に入るのではないでしょうか。

果してその標的は?

内山高志           24戦23勝(19KO)1分

ジョムトーン・チューワッタナ 10戦9勝(4KO)1敗