ジャパンオープンで浅田選手が553日のブランクを感じさせない演技を見せてくれました。さいたまスーパーアリーナに満員の観衆が見守る中演じた新プログラム蝶々夫人。その他、注目の選手が大挙出場したこの大会から何が見えたか。私なりの感想を記させて頂きます。
まずは何と言っても浅田選手でしょう。
音楽がなって緩やかに滑り出して最初のトリプルアクセルまでの入り方がとてもいいですね。
優雅で気品があってなめらかな感じ。
25歳になった浅田選手は表現力も増してきました。
その最初のトリプルアクセル。
シーズン最初の、実戦では前述の553日ぶりという事を考えると上出来でした。
テレビで見ると若干アンダー気味かと思いましたが、きちんと認定されていたし素晴らしかったです。
全体になめらかなスケーティングで連続ジャンプも、よくあるどっこいしょ、どっこいしょって感じではなく切れのある連続ジャンプでした。
復帰初戦としては、言うことなし。
プレバト風に言うと・・・才能あり!ですね。
無理をしていない感じなのでまだ伸びしろがありそうです。
エースが帰って来ました。
他の日本選手ですが、宮原選手も宇野選手も日ごろの練習をしっかり積んできていることがわかります。
練習の積み重ねは嘘をつきません。
それに対して村上選手はどうでしょう。
もちろんシーズン初戦なので全然これから上げて行くことが出来ますが、他の3人より多く練習をしなければならない立場です。
それをわかっているのであれば、後から結果はついてくるでしょう。
次、外国人選手いきます。
パトリック・チャンから行きましょうか。
やはり彼が醸し出す雰囲気は羽生選手とはまた違った美しさがあります。
ジャンプはまだまだですが(トリプルアクセルはやはり苦手意識が続いているようです)これからどんどん上げていくでしょう。
ただ、チャンは神経質なところがありそうで、今日の出来は自身が思ったよりは良くなかったと考えているに違いないのでそれが焦りにつながる可能性はありそうです。
いずれにしてもスケートカナダまでにどこまで修正してくるでしょうか。
ハビエル君、少し肉がついた?
彼らしい独特なプログラムですが、まだまだ自分の物に仕切れていませんでした。
ただ冒頭の4回転は素晴らしいジャンプで、さすが世界チャンピオンと思わされました。
今年の男子は昨年以上に混戦模様になりそうです。
ロシア勢はまずソトニコワ。
これまたほぼ浅田と同じくらいブランクあるんでしょうね。
衣装のせいでしょうか。
少し大人っぽくなりました。
元々凛とした演技を見せる選手でしたが、相変わらず品のある演技を見せてくれます。
故障の後遺症が出なければ今後どんどん良くなっていくでしょう。
トゥクタミシェワは冒頭トリプルを跳んできましたが、転倒。
ただ回転は認められており基礎点8.50をもらっています。
ただGOEで3点減点と転倒による1点マイナスなので、実質4.50。
日本の若手を中心に3Aを練習している選手は多いですがリスクは相変わらず高いです。
後半のステップシークエンス以降彼女らしい妖艶な雰囲気が出ていましたが、つまずいたのか信じられない転倒がありました。
私は今季のトゥクタミシェワは昨シーズンの疲れが取れておらずあまり上積みがないと思っています。
ロシアのエース争いは熾烈を極めるでしょう。
アメリカの二人はアンダーあり、転倒あり、抜けありと散々な出来でした。
特にグレイシー・ゴールドはコーチは完璧な状態と言ってるそうですが、昨シーズン後半の故障で崩れたスケーティングが戻っていないように思えました。
大丈夫でしょうか。
とても心配な状況です。
まだワグナーは昨シーズンと同じプログラムという事で熟成させていけば、今季の大目標世界選手権までにはかなりの完成度に到達する気はします。
今シーズン最初の実戦という選手が多かったと思いますが、仕上がり状態には大きな差がありました。
ここで失敗しても、課題が見えておれば全く問題がありません。
長いシーズンは今始まったばかり。
今季の最終目的は世界フィギュアでシーズンベストを出すことです。
それを考えると、今日の結果に一喜一憂するべきではないでしょう。
本人達がそれは本当は一番よく理解しているんだろうなと思います。
さあ、長いシーズンの始まりです。