影無茶のスポーツ24/7

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ボクシング 井岡一翔見事なカムバック 難敵相手に大差判定で完勝

井岡一翔選手およそ1年5か月ぶりのリング。

一度は引退を表明しての再起戦。

相手は難敵マックウィリアムズ・アローヨ。

ボクシングファンを驚かせた「Superfly3」でのカムバックでしたが、見事な勝利。

判定ではありましたが、文句のつけようがない、誰が見ても納得の勝利でした。

YouTubeなどで映像を見ました。

初回から井岡は積極的に前に出てパンチを繰り出します。

この姿勢を最終ラウンドまで続けられたのが勝因。

アローヨのパンチは重いというより硬いという方が適切で、フック、アッパーなど危険なパンチを接近戦から繰り出してきます。

あれを何発か受けると、間違いなくリングに沈んでしまいます。

少しでも逃げの気持ちが出ればアローヨの餌食となったことでしょう。

試合後の写真を見ると、井岡の瞼が相当腫れていました。

アローヨのパンチの威力を証明しています。

しかし井岡は終始勇敢に戦いました。

左のジャブ、ボディーを有効に使い、右とのコンビネーションもスピード豊か。

アローヨと対照的に切れ味勝負ですが、何しろ手数が多く、ボディーと顔面への打ち分けもよく決まっていました。

3Rに奪ったダウンはいかにも井岡らしい、抜群のタイミングで放った切れ味鋭い右ストレートでした。

井岡の手数の多さからか、7Rあたりではアローヨ嫌がってましたね。

今日の試合を見る限りブランクは感じられず、一度は引退した選手とは思えないほどの出来の良さで、井岡の決意の程が感じられました。

課題・・・というか、これは井岡のスタイルなので変えられないですが、出来ればKOで勝って欲しいと思うのがファンの心理。

アローヨのような1発で相手を倒すようなパンチを持っていないので、そこに物足りなさを感じる向きは当然あるでしょう。

井岡が相手を倒す時は、タイミングよく繰り出す切れ味鋭いパンチが物の見事に相手を見舞う場合が主ですが、攻勢であっても一発逆転パンチを貰ってしまう危うさは常に付きまといます。

そういう意味で、今日のように攻め続け、相手の心が折れて、結果KOに結び付けられるような試合運びを見せてくれたのは大きいです。

日本ボクシング界に頼もしい男が帰ってきました。

今までは井岡をいち商品として、金儲けを企てる者の(まあ当然の行為でもあるんですが)意思が井岡の良さを殺していたような気がします。

退路を断ってアメリカで再デビューした井岡の本気度を見ると、このままアメリカのプロモーター(これもまあ、結局は金儲けが目的ですが、日本よりましと思う)主導で試合を続けていく方が良いように思えてなりませんが・・・。

次は堂々と世界挑戦が可能です。

WBOスーパーフライ級の決定戦が引き分けだったのがどう影響するか不明ですが、こういった試合を見せられるならチャンスは向こうから転がってくるでしょう。

井岡は健在なり・・・です。

 

井岡一翔  24戦23勝(13KO)1敗

マックウィリアムズ・アローヨ 21戦17勝(14KO)4敗