それは突然の発表だった。
WBO世界S・フライ級王者井岡一翔と前WBOフライ級王者田中恒成の対戦が実現するのだ。
井上尚弥が階級を上げた後のスーパーフライは先日投稿したが群雄割拠状態。
そこに殴り込みをかけたのが田中恒成。
田中は実績が認められWBOスーパー王者に認定されている。
WBAのスーパー王者とは少々趣が異なるが、一番のメリットはスーパーに認定されると、階級を変えた時に即指名挑戦権を得ること。
今回それもあって対戦が決まった訳だが、それにしてもよく実現したものだ。
受けた井岡の心意気にあっぱれ!だ。
井岡は過去にマッチメイクの不調でバッシングを受けたためか、実力に見合う評価が成されているとは思えない。
特に復活後は卓越した才能を惜しみなく披露しており、パリクテ戦で見せた怒涛のラッシュによるKO勝ち、シントロン戦の高度な防御技術、文句のつけようのない、正にセンスの塊であることを証明する戦いを続けている。
これに対し田中恒成。
実力と知名度が全く比例しておらず、ひとたび攻撃を始めた時のスピードは度肝を抜かれること間違いない。
原隆二OPBFミニマム王者に挑戦した試合を覚えているだろうか。
両者互いに一歩も譲らず激しい攻防。
僅か4戦目だった田中が原を倒して世界の扉を開けた試合。
パンチを繰り出すスピードは尋常ではなかった。
超高速参勤交代・・・いや超高速パンチはVの早回しかと思う程だった。
木村翔WBO世界フライ級王者に挑戦した試合を覚えているだろうか。
アウェイでゾウ・シミンからベルトを奪ったA級王者の木村。
この試合もまた激闘。
フルラウンド打ち合いの試合を制したのは田中恒成。
3階級制覇が成った瞬間だった。
そこから3度防衛してベルトを返上。
スーパーフライ戦線に殴り込みをかけてきたのだ。
この試合の見どころは多い。
田中の攻撃を井岡がいかにして凌げるか。
井岡の防御は単なる防御ではなく攻める防御。
相手に打たせず相手を打つ。
田中のスピード対井岡の技術。
ここで両者が対戦してしまうのはもったいない気もするが、見られる嬉しさはその気持ちをはるかに上回る。
個人的には畑山VS坂本に匹敵する(超えるかも)日本選手同士のマッチメイクだと思っている。
井岡は早速負ける気がしないと煽っている。
どんどん盛り上げていってほしい。
試合はきっと期待に違わぬものになるだろう。
WBO世界S・フライ級王者 井岡一翔 27戦25勝(14KO)2敗
WBO世界S・フライ級1位 田中恒成 15戦15勝(9KO)