かつて井上尚弥最大の難敵と一部で呼ばれたゾラニ・テテが2年ぶりの試合を1RKOで復帰戦を飾った。
テテが脚光を浴びたのは何と言ってもWBOチャンピオン時代、防衛戦で相手選手を1R僅か11秒、衝撃のノックアウトで勝利した試合。
これが世界戦最速KO勝利ということで一躍有名になり、WBSSの決勝戦は井上とテテの戦いと予想する向きが多かった。
ところがWBSS準決勝でテテは肩の故障によりノニト・ドネア戦を棄権。
このことが、ドラマインサイタマの生まれた伏線になった訳だ。
その後テテは当時の暫定王者ジョンリル・カシメロに敗れ王座を陥落。
今回の試合はそれ以来2年ぶり。
この復帰戦を勝利したテテはビッグマウスも復活。
次の試合を挟んでスーパーバンタムに戦いの場を移し世界返り咲きを目指すとのこと。
ジョンリル・カシメロも一部ではスーパーバンタム転向が囁かれており、奇しくも井上尚弥を挑発し続けた二人が、来年スーパーバンタムに殴り込みをかける井上尚弥ともしかしたら対戦の可能性が出てきたということだ。
ところがことはそう簡単には運ばない。
スーパーバンタムにはスティーブン・フルトンとムロジョン・アフマダリエフの二人が2団体ずつのベルトを保持しており、現在この両者の統一戦が模索されており、さらには階級を上げてくる井上尚弥との対戦が有力であり、現時点でテテもカシメロも出る幕がない。
テテの復帰戦をビデオで見たが、確かにテテ自身は2年ぶりとは思えぬシャープな身体でほぼ仕上がっていたように見えたが、相手選手が酷かった。
テテの左ボディーを被弾してあっさりダウン。
レフェリーのカウントがめちゃくちゃ長く、何とか相手選手を立たして試合を続けさせようとする様子が見え見え。
結局20秒くらいかかってのカウント10でテテのKO勝ちになった訳だが、これではテテ本来の強さが戻ってきたのかどうかわからないと言うのが正直な感想だ。
テテ完全復活的に書かれていた記事を目にしていたが、試合のビデオを見て何の参考にもならないと思った次第だ。
テテとしては次の試合が存在意義を示すことが出来るかどうかの大一番だ。
ゾラニ・テテ 33戦29勝(22KO)4敗
スティーブン・フルトン 21戦21勝(8KO)
ムロジョン・アフマダリエフ 11戦11勝(8KO)