打線がこれだけ打って、投手が抑える。
当然相手関係もあるが、ほとんどの選手が期待を裏切らない、場合によっては期待以上のパフォーマンスを見せてくれるとは大会前には正直思っていなかった。
チームの状態がすこぶる良いのは画面を通してもわかる。
これ程良い状態で大会に入れた要因はヌートバーの存在というのに異論はないだろう。
多くの人が当初ヌートバー・・・Who?
そう思ったはずで私もそのひとりだった。
しかしこの男、実にナイスガイだった。
選手たちも最高のおもてなしでヌートバーをチームに迎え入れた。
あのたっちゃんTシャツだ。
ヌートバーもそれだけの歓迎を受けるに値打ちのある人物だった。
日本語もしゃべられず、本人は期待以上に当然不安も大きかったはずだ。
しかし温かく迎え入れてくれたことで不安も消し去ったのではないか。
そのことが彼が本来持つ明るさ、親しみやすさを前面に出せることにつながった。
初戦中国戦、先頭バッターで打席に立ったヌートバーは初球を中前にヒット。
これが日本国内におけるWBCの大フィーバーのトリガーになったことは間違いない。
守備でも相手チームの勢いを消すファインプレー。
ヌートバーなしでここまでチームがひとつになれたか、ここまで勢いをつけられたか。
否である。
右の主砲鈴木誠也の直前離脱もあり、国際大会独特の緊張感もあってロースコアの厳しい試合が続くのではという心配が大会前にはあった。
鈴木選手の穴を補って余りあるヌートバーの活躍だ。
栗山監督が水谷通訳からヌートバーに侍招集の打診をさせたということだが、その千里眼にも脱帽だ。
投手陣も奪三振率の高い投手を選考基準に召集したとのこと。
その投手陣はここまでほぼ期待通りの投球を見せてくれている。
打撃陣で唯一不安だった村上選手もイタリア戦でらしさを取り戻すきっかけを掴んだ。
岡本選手にも一発が出た。
考えうるに投打とも最高の状態で決勝ラウンドにのぞめる。
当然準決勝以降はここまでと違って強力なチームが相手となる。
しかしそれでもやってくれるとの期待が十分持てるチームへと仕上がった。
侍ジャパン初の全勝優勝へあと2試合だ。