日本中が熱狂に沸いたWBCが終わった。
14年ぶり3回目の世界一に輝いた。
ずっと主軸の3番を張っていた大谷が最後9回のマウンドに立って胴上げ投手になる。
こんな非現実的な光景が目の前で繰り広げられ、それを目の当たりに見られるとは。
とにかく侍は強かった。
強かったし、ほんとにいいチームだった。
だいたい日本はチーム競技では1+1=3にも4にもなるくらいに力を発揮する。
侍ジャパンもしかりだ。
今回チームがひとつにまとまるきっかけはヌートバーだったが、最年長ダルビッシュの献身的な振る舞いや、素直に話を聞いて物にしようとする若手。
大谷の皆を鼓舞するジェスチャーや行動。
選手の自主性を重んじてあくまで精神的支柱に徹したであろう首脳陣。
これら全てが良い方向にいったと言えるだろう。
戦い方を見ると、とにかく投手陣が素晴らしかった。
7試合通じてのチーム防御率が2.29。
これは全ての代表チームで断トツ1位だ。
奪三振も80で奪三振率11.42と7試合戦った上でのこの数字は値打ちがある。
落ちる球だけでなく力で相手打者をねじ伏せる場面が幾度もあった。
決勝戦で米国をソロホームラン2本による得点のみで抑えたのは層の厚さを表している。
途中離脱の栗林と補充で入った山崎以外は全て登板して役目を果たした。
水物と言われる打線も全7試合を通じてよく打った。
チーム打率は.299でホームランも9本。
ホームランも効果的なものばかりで逆転、同店、勝ち越しと全て意味のあるものだった。
圧倒的な投手力と、長打力による勝利。
ベースボールに対してこれが野球だと叫ぶ向きもあるが、その戦い方は大リーグも真っ青な力による優勝だったのではないか。
いろいろと言われた選手選考だったが、終わってみればこれ以上ない選択だったと言える。
これで侍ジャパンは解散。ヌートバー、大谷、ダル、吉田は米国に残ってチームに合流。
NPB勢も帰国後各チームに戻って31日から始まるペナントレースに向けて調整だ。
大会が始まって僅か2週間。
あっと言う間の2週間。
夢を見ているような2週間だった。