エンジンが違う!
兵庫代表として2区を走った田中希実選手の走りは正に異次元だった。
昔まだこの駅伝の創成期。
故佐々木七恵氏が見せたド迫力の走法を思い出した。
世界レベルの選手が他の選手と混ざって走るとこれだけの差がでてしまうのだ。
この後田中選手は日本を離れパリ五輪向けて調整に入る。
五輪前の日本での走りで強烈な印象を見ている者に与えたことは間違いない。
それにしても都道府県対抗女子駅伝は毎回ドラマが生まれる。
1区五島選手の2位以下を大きく引き離しての激走。
区間歴代3位タイの好記録で故郷石川に捧げる感動の走りだった。
去年すい星のように現れたドルーリー朱瑛里選手。
本人は満足していないようだが今年も成長した姿を見せてくれた。
最も古い区間賞記録が残る5区での池野選手と山崎選手の熾烈なトップ争い。
一度追いつかれた池野がラスト踏ん張り首位でタスキをつないだが、結果両選手共に区間新を更新するという見応え十分な戦いだった。
最終10区での新谷、川村、小海、鈴木、筒井、谷本等長距離界を引っ張る各選手が見せた感動の走り。
最初から最後まで一時も目が離せないレースだった。
優勝は1区から常に10位以内をキープし続けた宮城。
2区田中選手19人抜きでトップに立った兵庫も9区まで粘り強く首位をキープする見事な走りだった。
地元京都も一時16位まで順位を落としたが最後追い上げての2位フィニッシュ。
この大会は9人がタスキをつなぐ42.195キロで順位を争うが、区間距離が3~10キロと幅広く、国内中長距離のトップ選手や、将来性豊かな中高生が多く出場するので見どころ満載だ。
年末年始、都大路は女子の都道府県別、男女の全国高校駅伝などが冬の風物詩となっているが、これを登竜門として各選手には世界に通用する選手として羽ばたいて欲しい。
最後に今回解説を務めた小林祐梨子さんと福士加代子さんの掛け合いが実に面白く、豊富な経験に基づく的確な解説も素晴らしく聞きごたえがあった。
女子陸上の解説者にはユニークな方が多い。
来年の大会も是非この両者で解説を務めて欲しいと思ったのは私だけではないだろう。
陸上は来週以降も都道府県対抗男子駅伝、大阪国際女子マラソン、別府大分毎日マラソンと続く。
しばらく陸上競技から目が離せない。