これを書いている時点で明日に迫った堤聖也VSノニト・ドネアの世界戦。
井上尚弥が君臨した後スーパーバンタムに転向後、混沌の時代に入ったバンタム級。
一時は各団体ごとに4人の日本人チャンプが生まれたが、西田凌佑に勝って2団体を統一した中谷潤人がスーパーバンタムに転向し、武居由樹はクリスチャン・メディナに敗れ王座陥落。
中谷が保持していたWBCのベルトは、井上拓真が那須川天心に勝って王座に復帰。
もうひとつのベルトIBFは先日決定戦が行われたばかりで、メキシコのホセ・サラス・レイエスが王座に就いた。
そんな中行われるWBAの世界戦。
正規王者が堤でノニト・ドネアはWBA十八番の暫定王者で、この試合は統一戦と名が打たれている。
WBAは昔からスーパー王座、正規王座、暫定王座、休養王座と認定しまくり、結局は儲かることしか考えていないのではとの声もある。
堤聖也も目の手術により休養王座となり、暫定王座だったアントニオ・バルガスが正規王座につき、当初は堤とバルガスによる統一戦が行われる予定だった。
しかし事情によりバルガスが試合を辞退。
堤が正規王者に返り咲き、暫定王座決定戦に勝った(暫定王座決定戦をする必要があるのかどうかの是非は置いといて)ドネアとの試合が決まった訳だ。
ドネアと言えば、井上尚弥とのいわゆるドネア1で、井上を追詰めた試合が印象に強い。
しかしそれは、もう6年も前のことだ。
古くはフェルナンド・モンティエル戦での戦慄の左フックKOなど、フィリピ―ノフラッシュと言われる、強くて重くてスピード豊かなパンチを誇ったドネアも43歳。
前評判では堤が有利との声が大きい。
さすがのドネアも年を取りすぎているということか。
堤選手は井上拓真戦や比嘉大吾戦など、これまで激闘を繰り広げてきた。
技術というよりも気持ちで相手を追込む嵐の連打。
相手の心を折り、勝利に結びつける戦いをこれまで繰り広げてきた。
さすがのドネアも、堤のしぶとくてしつこい攻撃にスタミナを奪われ、堤が勝利すると私も思っていた。
しかし、先日見た、あるYouTubeでのインタビュー。
気負いもなく、それでいて闘志を感じる受けごたえ。
仕上がっている・・・。
そのように感じた人は多いと思う。
百戦錬磨のベテラン。
仕上げ方は熟知している。
試合前の雰囲気が、6年前の井上尚弥とのドネア1に似ている気がするのだ。
堤は比嘉大吾戦で左フックを貰ってダウンを喫した。
年を取ったと言えども、仕上がったドネアの左フックをまともに喰らうとヤバい。
もちろんフックだけでなく、アッパーも怖い。
堤としては前半に絶対にパンチを貰わない事。
それが勝利への絶対条件だ。
試合が後半にもつれ込んだ場合は、堤のKO勝ちも十分考えられる。
判定になれば、これはもう堤だ。
ドネアが勝つパターンは前半でのKO勝ちしかない。
いずれにしても、注目の一戦。
ゴングが待ち遠しい。
尚、この試合の勝者の次戦がまた興味深い。
堤が勝てば井上拓真との再戦も考えられる。
拓真が引退も考えた堤戦での敗戦。
果してリベンジの戦いはあるのか。
また、あの井岡一翔が5階級制覇を目指してバンタムに転向してくる話もある。
さらにファン・フランシスコ・エストラーダもバンタムに階級を上げ、先日那須川天心と挑戦者決定戦を行うようにWBCから指令が出たところだ。
風雲急を告げるバンタム戦線。
今回の試合はそのシン・バンタム級戦線の第1章となる様相だ。
WBA世界バンタム級王者 堤誠也 15戦12勝(8KO)3分
WBA世界バンタム級暫定王者 ノニト・ドネア 51戦43勝(28KO)8敗