影無茶のスポーツ24/7

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突然だからトレードは成立する

その昔フリーエージェント無き頃、

スポーツ新聞はストーブリーグ情報合戦で好き勝手(失礼)にトレード情報を一面に掲載した。

我々野球ファンもそれらの記事を見て、応援するチームの新しい姿を想像し、

その新たな魅力にワクワクドキドキした物だ。

しかしそのほとんどは信憑性が高くても実現しないか、

あるいは全くのガセであった場合が多かった。

結局事前に新聞に漏れるような情報管理下においてはまとまる話もまとまらないという事だったんだろう。

現在では主力選手の移籍話の中心はフリーエージェント行使選手に移り

トレードというのは表舞台から一歩引いた所での出来事のようになってしまっていた。

そんな中突然発表された大型トレード。

何といっても日本ハム糸井が放出されるというのが衝撃的で、

その相手が今年のストーブリーグの主役オリックスだというのも驚いた。

近年オリックスは大砲を揃えればOKというような、大味なチーム作りで年々魅力をなくしてきていた。

昔の阪急ブレーブスを知る者にとっては何とも複雑な心境だったことだろう。

巨人が清原、ペタジーニ、江藤、ローズ、小久保など4番ばっかりという状態にして野球を面白くなくさせたのと同じだ。

そのオリックスが今年、超積極的に選手を補強している。

それも投手を中心とした守備力強化がテーマになっている。

東野、平野、馬原、そして今回の糸井に八木だ。

もちろん寺原、木佐貫、香月などがチームを去った訳だが、

新しい選手達がカンフル剤となってチーム力がアップする可能性は大いにあるだろう。

日本ハムは左の先発が武田、吉川、八木と3人いたので、右の木佐貫の獲得で左右のバランスが取れる、

ただし糸井の穴は単なるバッターとしての穴だけではなく、中田、陽、糸井という球界屈指の外野陣の一角がいなくなってしまうという事が大変だ。

対するオリックスは逆に主力投手が右ばかりで左の先発を獲得出来たのは大きい。

それに何といっても糸井だ。

ポスティングで大リーグに挑戦する意向を発表しているが、来年の事は誰にもわからない。

栗山監督は著書「覚悟」で糸井の事を持っている物がすべて桁外れと書いている。

4年連続3割、4年連続ゴールデングラブ、2年連続ベストナイン

いや、もうよくぞこれだけの選手が絶頂期にトレードに出された物だ。

つい先日までは糸井の年俸1千万をめぐる攻防なんて書かれていたのに・・・。

やはり表に出ず水面下で着々と交渉を進めていたのがこのトレード成立に至った最大の要因だろう。

トレードは突然世に出る状況下でないと難しいって事を再認識したよ。