馬原の移籍も大きな反響を呼んだが、それを大きく上回ったであろう今回の糸井の移籍。
これほどの大型トレードを実現させた両球団にはプロ野球を盛り上げるという観点からは拍手をおくらなければならない。
しかしちょっと斜めに見ると日本ハム球団の思惑が透けて見えるような、見えないような(どっちやねん!)
複雑な思いが脳裏をよぎる。
まず皆さん誰もが思っている事に糸井のポスティングについての問題がある。
昨日からの報道を見ると、流れ的には当初契約について糸井本人が球団と交渉していたが、
それが不調に終わり、以後代理人がこれに臨む事になった。
最終的に金銭の話し合いがつき契約を更改するに至った。
どうもこの段階で糸井から唐突に来季ポスティングにより
メジャーへの移籍希望が球団側に申し入れられた。
というのが今回の交渉の流れだ。
これだけ聞くと、明らかに糸井側が礼を失したように思える。
いくら選手の希望に対して寛容な日ハムでもハイそうですかとは言えなかったんだろう。
今オフの日ハムの緊急課題は、金子誠の故障による衰え、
田中賢介のメジャー移籍によるセンターラインの要である遊撃、二塁の即戦力を獲得する事だろう。
今回のトレード、当初はオリックス大引獲得が主の比較的地味な物だったと考えられる。
おそらく糸井のポスティング要求はその経緯からわがままと取られてしまったのだろう。
そういった事もあって、すでに交渉の最中にあった大引のトレードにプラス後から糸井が入り込んできたと考えられる。
「糸井を出す用意があるんですが・・・」
オリックスとしては飛びあがって喜んだ事だろう。
飲んでいた茶を吹き出してしまう程の衝撃だ。
糸井!糸井が来るかもしれない!
もう何としてもこのトレードを成立させたかったはずだ。
そこからお互い左腕不足、右の先発もう一枚欲しいって所を補う
木佐貫、八木のトレードも新たに加わり、じゃあ糸井が抜けるので
外野を一人つけましょうという風に固まっていったんだろう。
おそらく最初日本ハムから出る選手は別の選手だったはずだ。
大引と誰か。
しかし予想外の展開となった為その誰かの移籍は消滅した訳だ。
そりゃあ日本ハムにとっては大きな損失だ。
しかし、過去にも新庄、小笠原、森本、ダルビッシュ、主力級がFAやポスティングで抜けても
必ず新しい選手がその穴埋めをしてきたという自負があるんだろう。
糸井が抜けても大丈夫。
本心からそう思っているに違いない。
そこが日本ハムの強さだ。
オリックスは糸井のポスティングは認めないと言っている。
馬原のFAに糸井のポスティング。
今シーズンのオフに再びこの喧噪の第二章が始まるのか、
それとも2014年以降もこの両名はオリックスのユニフォームを着るのか。
しばらくはこの件は忘れるとしよう。
まずは両名の活躍を祈念する。
以上事実を基にしたフィクションです。