影無茶のスポーツ24/7

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ボクシングはしたけれど・・・

また、バッシングが・・・。

亀田1号6度目の防衛戦は二転三転相手が変更となり、結局落ち着いた相手がパノムルンレック選手。

どうせつまらん試合になるんだろうと思ってあまり期待せずにテレビ桟敷に陣取った。

ところが、あに図らんやこれが両選手手数を多く出し、しっかりとボクシングをやっている。

亀田はランダエタ戦以降、本人にも責任はあるが、あのとんでもない父親のおかげでほぼ全国民を敵に回すと言うある意味気の毒な青年となってしまった。

実際その後も不可思議としかいいようがないマッチメイクが続き、世界王者とは言え、同じ階級の他団体の王者の試合と比べ、亀田のそれはまるで別の競技のように思えてしまうほど内容のない試合ばかりが続いていた。

当然今日もその流れは踏襲される物だと思っていたから、積極的に売ってくる挑戦者と同じように手数をだしていく亀田を見て、おぉ~ボクシングやってるやないか!と心の中で叫ばずにはおれなかった。

もちろん長谷川穂積とモンティエル、モンティエルとドネイエのような洗練された、またはド迫力の打ち合いという物ではなかったが、それはパノムルンレックも亀田も元はフライ級から階級を上げてきた選手なので仕方がないと思っていた。

パノムルンレックはスタミナも問題なくガードの上からもどんどん打ってきて、時折フック、アッパーが亀田を捉え、ジャブはほとんど休みなく打ってきた。

亀田もボディ、フック、ワンツーパンチなどで応戦し、一発KOの迫力には欠けたが久々に亀田の負けん気というか、ケンカには絶対負けたくないという本能を見たような戦い方だった。

一進一退、どちらが優勢か非常に微妙な情勢が続いたが後半に入るとパノムルンレックの手数が上回り、11ラウンドは亀田防戦一方になるシーンが見られるなどした。

12ラウンドもどちらかと言うとパノムルンレックが取ったような感じで試合終了。

両者の表情を見ると明らかに亀田の方が顔を腫らして、パノムルンレックはさほど表情に変わりがない。

私はパノムルンレックが1~2ポイントは勝っていると判断した。

そして迎えたジャッジ。

一人目は亀田。

場内を何とも言えない空気が流れる(ように感じた)

二人目はパノムルンレック。

スプリットデシジョンだ。

その瞬間、何ともいやな予感がする。

3人目・・・案の定亀田。

2対1の判定で亀田防衛。

いまだかつて日本の王者が、かりにも12ラウンドほぼフルに打ち合って、判定で勝利したのに、これほどどっちらけの会場は見た事がない。

ランダエタの時よりはまだましな判定だと思うが、あの日を境に亀田にはもうどうしようもないダーティーなイメージがついてしまっているんだなと再認識させられた瞬間だった。

その後の亀田のインタビューが・・・これまたいまだかつて見た事もないような勝利者インタビューだった。

ひたすら、すいません、すいませんの繰り返し。

リングに手をついてまで観客に詫びた。

何故か亀田を不憫に思った。

幼いころから3兄弟で世界を目指して鍛錬してきたが、一つ歯車が狂っていまだに修正出来ていない感じ。

今日の判定でまた激しいバッシングが起きてしまうのだろう。

この狂った歯車はもうランダエタ戦の前には戻らないのだろうか。