今回アウェーではあるが、相手の孫正五はほぼ一年ぶりの試合。
タフネスと言えども戦績は26戦20勝(6KO)4敗2分の平凡な成績。
ランキングも14位といつも通~りのマッチメイク。
しかし相手選手の実力は試合が始まって見ないとわからない。
トレーナーによっても選手は大きく変わる。
世界は広いのだ(韓国は近いけど)。
ただ、今日は試合開始から亀田の動きがいつになく良い。
手数も出るしスピードもあって、的確にパンチを当て、完全に主導権を握る。
世界戦のレベルにあるかないかは別にして、今日は楽勝ではないかと思った。
ところがラウンドが進むにつれ様子がおかしくなる。
技術などなく、ただ左右を振り回してくるだけの挑戦者のパンチが亀田に当りだしたのだ。
亀田のショートレンジからのパンチも当っているが、ブン回す孫のパンチをまともにもらうので印象が悪すぎる。
7Rに入り足を使う亀田だが、孫はべた足で前へ前へと詰めてきてパンチを繰り出す。
10Rにはタイミング良く孫のストレーチが当たりダウンを奪われてしまう。
その後も手数で孫が亀田を上回る。
そりゃあ、やや変則と言えば変則だが、あのパンチをあれだけもらってしまうのは問題だ。
亀田は調子が良すぎたのか、今回は何としても倒して印象を良くしたい思いがあったのか、積極的にパンチを当てにいき、結果として打ち合いとなる場面が多かった。
V6のパノムルンレック戦で打ち合いとなり、後半に追い込まれたのと同じような展開。
またも亀田の打たれ弱さを露呈した戦いとなった。
結局今回も結果は判定に持ち込まれた
印象としては完全に孫の方が良い。
ダウンも喫してしまった。
ただし亀田も試合を通じて細かいパンチを当てていた。
だが、ここは敵地韓国、完全アウェー。
ついに亀田王座陥落か・・・と思いながら、もう一人の自分が「いやいや、どうせ亀田が防衛やで」と頭の中で囁く。
集計がやたらに長い。
何故ジャッジペーパーは手書きなんだろうか。
アイ・パッドとかに入力するような形に何故しない。
一度記録すれば修正出来ないようにする事は簡単なはずだ。
集計もあっという間だし、計算間違いもなくなるだろう。
そうこうする内に何と放送時間終了。
そして始まったNEWS23。
画面には勝利者トロフィーを持った亀田の姿・・・。
何とも複雑な気持ち。
この気持ちを何度味わわなければならないのだろう。
3階級制覇。
黄金のバンタム8度目の防衛。
渡辺二朗、西岡利晃、三浦隆司に続く4人目の海外での防衛成功。
なぜ、これだけの偉業を成しているのに称賛されないのか。
それは亀田自身も本当はわかっているはずだ。
亀田が現在の評判を翻すチャンスは残っているのだろうか。