武豊が帰ってきた。
ウチパクにリーディングで敗れてから転落は始まった。
トップクラスは岩田が乗る機会が増え、福永、浜中、川田、にも後れを取った。
本屋で立ち読みした騎手名艦では、買えない騎手にランクされるなど、一世を風靡した名手に対してなんという仕打ちかと思った事もある。
しかし今年になって明らかに風向きが変わった。
重賞もしっかりと勝てるようになった。
12日の京都では準メーン、メーンと1番人気で連勝し、完全復活を印象付けた。
そうして迎えた80回ダービー。
武豊は勝てると断言していた。
久々にらしい武豊が戻ってきていた。
福永エピファネイアが抜けでて勝ったかと思ったその瞬間、キズナが凄い脚で飛んできた。
福永は勝ったと思っただろう。
しかしキズナは復活していた武豊のエスコートで一気に抜き去った。
8年ぶり5度目のダービー制覇。
武騎手にとって過去4回以上に思い出に残る特別な勝利となった事だろう。
馬券的にはほんとに抑え程度だったので儲けは牛丼一杯くらいだが、何と言うかまだ馬券を変えない高校生の頃に応援していた馬が大レースを勝った時のような清々しさを久々に味わう事が出来た。