「スケートに対する気持ちは前より大きくなっている」
安藤ミキティが2010~2011年シーズン以来久々に競技選手として復帰する事を宣言した。
競技選手として復帰するという事は即ちオリンピックも当然視野に入れるという事だ。
日本フィギュア界においては明るいニュースだ。
彼女の復活は必ずや他のスケーターのモチベーションアップにつながるだろう。
国内の争いが激しくなる訳だから、他の選手も技の正確性を高めたり、より高度な技に取り組むなどソチの本番において、代表選手の上位進出の可能性を高める事になるに違いない。
安藤選手は高校在学中から4回転ジャンパーとして注目を浴び、
時には言われないバッシングも受け心も身体もずたずたになった。
しかしモロゾフコーチに師事してからはその代名詞とも言われる4回転を封印し、
それまでの滑って見ないとわからない不安定さが影をひそめ世界選手権で見事に優勝を飾った。
そのモロゾフとの別れ。
私はもうミキティは競技者としてはリンクに戻ってこないと思っていた。
それで良いのではと考えていた。
しかし冒頭の言葉
「スケートに対する気持ちは前より大きくなっている」
この言葉には正直驚いた。
ここまでモチベーションが復活していたとは・・・。
やはり競技選手には適度な休息が必要なんだと改めて感じた。
この気持ちを口に出して言えるならば復活には大賛成だ。
元々アマチュアなんだから好きな時に滑ればいいのである。
しかしここからは試練の道程が待ち受けている。
まず、ミキティは強化指定からはずれている。
これは大変なハンデで、小さな大会から出場して健在ぶりを見せつけ再指定を受けなければならない。
その上でICU公認の大会に出てポイントを稼ぐ。
それでようやく候補の一人として位置づけられる訳だ。
間に合うのだろうか。
素朴な疑問だ。
しかしキムやコストナーを見ていると、なんとかなると思う人は多いだろう。
もうひとつ、と言うより一番の問題は誰に師事するのか・・・と言う事だ。
この休養期間に他方面で様々な経験をし人間的にも成長しただろうが、
やはりコーチとの相性は最も気になる所だ。
それらをクリアして再び銀盤に舞うミキティの姿が見られるか。
大人の女性としての魅力を表現し2011年までとは違ったより円熟した演技を見せてくれる事を信じたい。