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フィギュアスケート Road To 平昌 パトリック・チャンNHK杯欠場に見る代表選考事情

スケートカナダで4位に終わったパトリック・チャンがNHK杯を欠場するとのこと。

特に怪我をしているわけでもなく、理由は練習に専念するため。

この報道を聞いて、ああ、やっぱりGPシリーズはあくまでオリンピックや世界選手権へ調整の場と考えるのが自然なんだと思った次第です。

カナダの男子シングルスの代表枠は2枠です。

確かにワールドスタンディングではチャンは6位でカナダの選手の次位は26位にケビン・レイノルズ、28位にナム・グエンではありますが、ここで練習を理由に欠場できるというのがもう日本的に見たらびっくりぽんの状況です。

考えても見てください。

羽生選手が初戦ちょっとジャンプが上手くいかないから練習したいのでGPシリーズを欠場すると言った場合、いや絶対に言わない・・・と普通に思いますよね。

田中刑事選手が怪我をおして中国杯に出てきました。

下手をすれば怪我を悪化させて今シーズンを棒にふることだってあったかもしれません。

カナダの代表選考がどうなっているのか詳しくはわかりませんが、ナショナル選手権が大きな要素を占めているのは間違いなく、チャンはそこで代表枠を確実に獲得するため調整する作戦に出たわけです。

日本選手はその勤勉さにスポンサーの無言の圧力もあるのかしれません。

しかし長いシーズン、GPシリーズ、全日本と常に全力を求められてしまう。

オリンピック本番ではピークを過ぎて下降線になっていた・・・なんてことになっても選手を責める気にはなれません。

もちろんフィギュアの人気がここまで高くなったのは選手たちが常に全力で戦う姿勢を目の当たりにすることが出来る現在の環境が作り上げたものだとは思います。

しかし、多くの人がオリンピック本番での表彰台に選手が立つことを望んでいる現状、選手にあまり負荷をかけることは控える方向に行ってもらいたいなと思うのです。

極端に言えば代表選考は将来的に3枠の場合は全日本の1位、2位、2枠の場合は1位、1枠(になって欲しくはない訳ですが)の場合は1位のみとして3枠、2枠の場合の残り一人はGPシリーズは選考基準に入れず、全日本終了時のワールドスタンディングとシーズンワールドランキングの両方から選考する(いわゆる救済枠というものですね)。

もしくはきれいに全日本一発選考でも良いと思う次第です。

全日本の位置づけをさらに高めることによって、選手たちは各々好きな調整法でまずは全日本にピークを作り、代表になれば、その後のオリンピック(世界選手権)にもう一つピークを持っていくようにピーキングがしやすくなると思います。

今の選考基準では、たとえば樋口選手はこのままでいけばファイナルに出場して選考的にはひとつアドバンテージが出来るわけですが、この状態をオリンピックまで(その前に全日本でも表彰台は確保しなければならない)持続しないといけないので、これは大変です。

パトリック・チャンのNHK杯回避の報を聞いてちょっと思った次第です。