仕事以外全部趣味
アメリカのCDCのような感染対策研究所はまだ日本にはなかった。
日本国内がコロナ禍になる前の段階で起きたダイヤモンドプリンセス号における集団感染において、救命活動に当たった人々と乗客の物語。
緊急的な措置として救命活動にあたったDMAT、厚労省から派遣された役員、そして船内クルーたちが、命の危機にさらされながら難事に立ち向かう。
シン・ゴジラでは杓子定規な政府、官僚の動きが皮肉を込めて表されていたが、今回、フロントラインでは命を救うために、ルールを破って最善と思われる方法を選択する姿が描かれる。
毎日増え続ける陽性者。
誰も経験したことのない状況下、瞬時の判断を要求される関係者たち。
船内でいったい何が起こっていたのか。
ニュース等で報道された情報は果して真実だったのか。
この映画は、当時我々が知り得なかった出来事を示してくれる。
もちろん、これらが全てではないだろう。
美化しすぎということもあるかもしれない。
実際はもっと多くの困難極まりない状況があったに違いない。
それでも私はこの映画から多くのエネルギーを受取ることが出来た。
演出もスピーディー。
役者陣も皆好演で、とても見応えがあった。
しかし、ダイヤモンドプリンセス号の集団感染は、あくまでコロナパンデミックの序章に過ぎず、その後丸3年間、世界は新型コロナウィルスの脅威にさらされ続けた。
この映画は、そのことを改めて思い出させてくれる。
その意義は大きい。
最後に、当時、感染症の専門医だった先生が、乗船してほどなく下船し、YouTubeで船内の感染対策の不備を明らかにしたが、今回それを忠実に再現しており、エンドロールで本人が実名で協力者としてあがっていた。
この場面は様々な方面に影響を与えたと言う意味でとても重要なプロットであり、取上げない訳にはいかない。
当然これを再現するには、当事者に了解を得なければならない。
YouTubeで話した内容の是非、真偽、周囲に与えた影響は別として、これを取上げることを許可した先生には(上から目線になるが)敬意を表しておきたいと思った。