小平選手のスピードスケート500メートル金メダル獲得。
試合後に見せてくれたイ・サンファとのスポーツマンシップあふれるふるまい。
賞賛しかないこの出来事に、ほんの少しミソをつけてしまったのが、アナウンサーの「獣のような」発言です。
アナウンサーが釈明をしなければならない事態になってしまったのは時代を感じますが、ここまで大騒ぎすることはないと思いつつ、ちょっと思うところを書かせていただこうかなっと・・・。
確かに霊長類最強や野獣など過去にも、冷静に考えれば失礼なキャッチフレーズが世に出ましたが、さほど問題にはなりませんでした。
何故今回ここまで批判が噴出してしまったのか。
それは、単純に小平選手のイメージとかけ離れていたからでしょう。
レスリングの吉田の時も、柔道の松本の時もほとんどの人が自然にそのキャッチを受け入れました。
的確に彼女たちのアスリートとしての資質を表現出来ていたからこそ、負の意見がほとんど表に出てこなかったのでしょう。
確かに小平選手が滑っている時の前方を見据える強い眼差しは印象に残りました。
しかし、それは小平選手に限らず、誰でもそういう表情になってしまいます。
こういったフレーズは大半の人が、なるほどうまいこと言うなあ~って思わないと成立しません。
私はこのインタビューを見ていましたが、正直違和感を感じてしまいました。
事前に伏線があって、他のスケート選手やスタッフもそういった会話をしていたようですが、それは内輪ネタにすぎません。
実際この言葉を振られた小平選手はちょっと困った表情をしていましたし、使いどころとしては失敗でしたね。
想像ですがアナウンサーはこの言葉を使いたいという気持ちが先に立ち過ぎたのでしょう。
まず「獣」の言葉ありきだったと想像します。
言葉に酔ってしまったと言えばちょっと言いすぎでしょうか。
個人的にこのアナウンサーは、オリンピックに限らず他のスポーツでも取材をしっかりして実況に臨んでいるのがわかるし、単にわめくだけのアナウンサーではなく的確な実況をするので好感を持っていますが、今回の例えについてはセンスがなかった。
そう言わざるを得ないと思います。
でも良い教訓になったと思います。
エースアナとしてこの経験を活かしてくれるでしょうし今後も期待しています。
ついでに書かせていただきますが、小平選手とイ・サンファのレース後のスポーツマンシップあふれる対応は月並みな言葉ですが、本当に感動的で、これでこそオリンピックと言えるものでしたが、あまりこの部分だけが幾度も幾度も、美談としてクローズアップされ過ぎてはいけません。
あまりこのことをいつまでも取り上げていくと美談の押し売りになってしまいます。
何事もほどほどが大切です。
勘違いして欲しくはないんですが、この行為は本当に素晴らしいし、感動しました。
今回のオリンピックのひとつの象徴となる出来事と考えています。
ですが、両選手も、自然発生的に出た行為で、こればかりで騒がれるのは本意ではないはずです。
平昌オリンピック女子スピードスケート500メートルで小平選手とイ・サンファ選手は激闘が繰り広げられ、小平選手が栄光の金メダルを手にしたが、イ・サンファも銀メダルを獲得し第一人者であることを証明した。
試合後両選手はお互いに健闘をたたえあい、これぞオリンピックと言えるスポーツマンシップを見せてくれた。
これが全てだと思います。
トップ選手の二人がこういった行為を見せてくれたことに大きな意義を感じました。