NHK杯の男女シングルが終わりました。
タイトルにも書きましたが、女子は稀に見るハイレベルな戦いで見応えがありました。
これを会場で見られた方は幸せです。
NHK杯男女シングル結果(上位5位)
男子
女子
宇野、宮原、トゥクタミシェワファイナル決定、紀平は次戦4位以上で確定
それはマライア・ベルから始まりました。
今回の女子は技術、芸術性、雰囲気、どれをとっても最高レベルの大会でした。
これほどハイレベルの大会はそう見られるものではありません。
そのきっかけはマライア・ベルの見る者すべてを引き付ける美しい演技でした。
もちろんパーソナルベストの得点。
北米勢はあまりGPシリーズに重きを置きませんが、この勢いを全米選手権につなげれば全米チャンピオンも夢ではありません。
そして何と言っても紀平梨花。
プレビューで3Aの危険性を書きましたが、脱帽の2本揃え。
それも両方が大きな加点をもらえるジャンプ。
才能がほとばしった瞬間でした。
彼女はそれ以外のジャンプも軽やかに決めてきます。
しかも誰もが苦労するルッツもフリップもエッジエラーをもらわない。
こんな書き方をするとお叱りを受けるかもしれませんが、彼女にとってトリプルアクセルは諸刃の刃になる訳です。
3Aには他のどのジャンプよりも高い転倒リスクが伴います。
極端な話、彼女は3Aを跳ばなくても構成次第で十分てっぺんを狙える器の選手です。
でも、これが紀平の決めた道ならば、とやかく言うのは野暮だとも分かっています。
次は最終戦フランス大会。
4位以上でファイナル確定です。
今の勢いなら、そう難しいことではありませんね。
宮原も持ち味を出しました。
昨年の故障の影響もなさそうです。
後半のジャンプで回転不足を取られてますが、見た感じわかりませんでした。
それよりも課題のルッツで!がつきました。
基礎点はもらえますが加点は抑えられてしまいます。
ルッツを跳ばず他のジャンプで加点をもらう作戦も有りかもしれません。
しかし年々表現力も高まり、魅力的な演技に変わってきました。
紀平もそうですが、宮原もリンクでは大きく見えます。
宮原はこれでファイナル決定。
まだ先は長いので、目標に向かって課題があるほうが良いでしょう。
トゥクタミシェワはとにかく彼女の世界観を楽しむ。
これが正しい見方です。
技術が優れている上にエンタメ性も非常に高い。
そのエンタメ性に益々磨きがかかってきました。
当然彼女もてっぺんを目指しているでしょうが、それを超越した楽しみが見る方には生まれています。
無くてはならない存在です。
ところでエキシビション、あれを披露してくれるんです・・・よね。
三原選手も現時点ですでに昨年より状態が良さそうです。
今回200点超え。
元々ミスをほとんどしない選手。
フリーは昨年と同じ曲で、今後熟成が進んでいけば十分戦えます。
それにしても日本の世界選手権代表争いはし烈を極めます。
よく、3枠取り戻してくれたとつくづく思います。
男子は宇野選手が貫禄の優勝でファイナル進出を決めました。
ミスも目立ちますが、世界選手権に向けて仕上げていけば良いので問題ありません。
男子は羽生、宇野、ネイサン・チェン。
この3強の壁は厚いです。
ファイナルの行方
男子
宇野昌磨が2戦2勝でファイナル決定。
来週のロシア大会で羽生が4位以内なら確定。
ネイサン・チェンも最終戦フランス大会で4位以内なら確定。
他の選手のポイントと残り2戦に出場選手のバランスから見て、残る2枠はセルゲイ・ボロノフとキーガン・メッシングで決まりそうです。
女子
男子に比べ女子は大混戦。
ここまで4戦全て優勝者が異なっています。
その中で宮原とトゥクタミシェワがファイナル決定。
1戦1勝ザギトワが来週ロシア大会、紀平が最終戦フランス大会に出場。
初戦2位山下真湖はロシア、同じく初戦2位コンスタンチノワがフランス。
すでに2戦を終えた坂本花織が2位、3位で24P。
ここに初戦3位で11Pのメドベージェワとサモドゥロワが加わります。
メドベージェワはフランス大会で紀平と対戦。
フランス大会には三原舞依、アメリカのテネルも出場する激戦模様です。
サモドゥロワはロシア大会参加。
残り2戦の対戦相手や現状獲得ポイントなどから予想すると、
確・宮原知子 確・トゥクタミシェワ ◎アリーナ・ザギトワ ○紀平梨花
○山下真湖 △坂本花織 △メドベージェワ △サモドゥロワ △コンスタンチノワ
1戦1勝の二人を除いては5人とも2位、3位地獄の可能性がありますが、山下は対戦相手の関係からロシアで2位以上と予想しての○です。
順位もポイントも並んだ場合は出場2戦の得点合計なので、坂本の411.32点はけっこうハードルの高い高得点なので多少優位ではあります。
果たして・・・。