優勝は関脇正代。
成績は13勝2敗。
途中11勝まで優勝ラインが下がると思われたが、最後は相応しい数字が残った。
私が推す朝乃山は初日からまさかの3連敗。
10勝5敗で体裁は整えたが、本人も周囲も到底満足できる結果ではない。
不戦勝も2番あり、正代にも敗れてしまった。
内容も完敗だった。
先場所も優勝をかけた大一番で照ノ富士に敗れ、今場所も正代に勝てなかった。
これはイメージが良くない。
今場所初日から3連敗したのは照ノ富士ショックが尾を引いているんだろうな~と私は思っていたが、正代に敗れたことで新たなショックが加わってしまったのではないか。
それが証拠に翌日の千秋楽も貴景勝にいいところなく完敗。
前日の負けを引きずっていたとしか思えないひどい負け方だ。
2日続けて土俵下に転がされたのは横綱を狙う力士としてはイメージが悪すぎる。
稽古に励んで十一月場所では強い朝乃山として戻ってくることを信じたい。
朝乃山にとって、とても大切な場所になるだろう。
これからの相撲人生がかかった場所だと認識して臨んで欲しい。
この記事を書く前に過去に私が掲載した大相撲の記事を読み返した。
驚くことに6年も前から次期横綱を狙う若手力士への期待を込めた記事を書いていた。
いったい何人の力士が期待に応えられず低迷していることか。
その中でもっとも多い理由は土俵上の怪我だ。
上を狙える力士が怪我で力を発揮出来なくなるのは見るに忍びない。
照ノ富士もその一人だったが、先場所の復活優勝は記憶に新しい。
今場所も幕内筆頭で勝越したので来場所は三役復帰が成る。
しかしながら怪我の後遺症はいつ牙をむくかわからない。
土俵上での怪我については協会がしっかり治せる環境を与えて欲しい。
横綱だけが特権でいくらでも休めるのはよろしくないだろう。
今のままではせっかく横綱になっても身体は既にボロボロになっていて責任を果せない横綱が生まれてしまう可能性も高い。
公傷制度の見直し復活を検討していただきたい。
さて十一月場所だが両横綱が復帰してくる。
何度か書いたが、横綱は晩年は休場が自然多くなる。
休場明けは結果が出なければ引退。
責任を果す勝ち星を挙げられれば現役続行だ。
実にわかりやすい。
休場することで即批判する向きもあるが、休場明けの成績を見れば何も言えない。
しかし、そろそろ大関以下で、両横綱に引導を渡す力士が出てこなければ嘘だ。
もう何年同じことを繰り返しているのか。
エレベーターで幕内をいったいりきたりしながら土俵を勤めた方が、上を目指して頑張るより楽と考える力士が多いのではと私などは勘繰ってしまう。
正代についても過去の記事を読み返した中で2度期待の力士として名を挙げていた。
途中、6勝9敗~9勝6敗の間の成績を繰返して目立たなくなっていたが、ここ5場所で4度の二桁勝利は堂々たる数字。
何を持って開眼したのか知りたいほどの急上昇だ。
勝越しの場所の数だけなら圧倒的に御嶽海の方が多いが、二桁勝つことの大切さを正代は教えてくれる。
プレバトの正代から横綱候補の正代として精進して欲しい。
まずは0勝14敗の鶴竜にどういった内容の相撲を取れるのか。
そこから見てみよう。
最後に去年夏場所後にいくつか条件を掲げて将来の横綱候補を挙げて見たが、同じ条件で現時点での横綱候補を絞り込んでみたい。
1.幕内勝率.533以上(休場除く・不戦勝・不戦敗含む)新入幕力士含まず
貴景勝、朝乃山、御嶽海、霧馬山、高安、照ノ富士、隆の勝、琴奨菊、琴勝峰、正代
2.幕内在位40場所以下
貴景勝、朝乃山、御嶽海、霧馬山、照ノ富士、隆の勝、琴勝峰、正代
3.29歳以下
貴景勝、朝乃山、御嶽海、霧馬山、照ノ富士、隆の勝、琴勝峰、正代
4.前頭在位14場所以下
5.体重130kg以上
6.関脇以下(幕内)で全休なし
以上5力士が9月場所終了時点での横綱候補として絞りこんだ力士となる。
昨年の記事(下記にリンク)と比べて欲しい。
僅か1年しか経っていないのに顔ぶれの半分が変わってしまった。
条件根拠
1.幕内勝率.533以上→単純に8勝7敗の積み重ね。
2.幕内在位40場所以下→稀勢の里大関昇進迄の42場所を参考。
3.29歳以下→30代はさすがに難しい
4.前頭14場所以下→歴代横綱の前頭在位15場所以上は4人のみ。
5.体重130kg超→力士大型化に伴い最低130kgは必要かと。
6.関脇以下(幕内)全休無し→歴代横綱で大関全休はいても関脇以下皆無。
新大関正代は前頭在位で、霧馬山と隆の勝は体重でカットとなった。
個人的には霧馬山は期待大だが100kgに満たない小兵ではさすがに苦しく、怪我につながる可能性もあるので体重増加は必須となるだろう。
照ノ富士は幕下、三段目で全休があるが、あくまで幕内内が条件だし、経緯が特殊なのでここは無理にカットしなかった。
これだけ大きな怪我で地獄を見てきたのに幕内勝率.533以上をキープしているのは並の力士では到底残せない数字だ。
照ノ富士にとっては怪我が最大の難敵だ。
こうして絞り込むと、結局怪我もなく本格派の朝乃山が最も横綱に近いと思うが皆さんはどう思うのだろう。
十一月場所は東京両国国技館で11月8日から始まる。
※根拠となる数字は相撲レファレンスを参照させていただきました。