今大会は何故こんなに重苦しいのだろう・・・と大会序盤に書いた。
今までのオリンピックとは明らかに異なる空気。
さらに、ここにきてとんでもない問題が表面化した。
女子フィギュアスケートの絶対的金メダル候補 ❝絶望❞ カミラ・ワリエラのドーピング問題である。
それは団体戦終了後表彰式の延期をきっかけに世間に広まることになった。
延期は唐突だったしその理由も明らかにされなかったので謎が謎を読んだ。
当初法的な問題という発表があったが、それでは何のことかわからない。
これがワリエラのドーピング問題と判明するのに時間はかからなかった。
それから1週間の間にすったもんだの二転三転。
結局ワリエラの女子シングル出場が認められることになった。
ドーピング検査の時期や経緯、この段階での陽性反応の発表など腑に落ちないことはたくさんある。
しかし最も腑に落ちない点はワリエラの出場が認められたこと。
少なくとも北京以前までは世の中の趨勢はアンチドーピングで統一されていた。
組織的ドーピングによりロシアは依然として国としての参加が認められていない。
そんなロシアで起こった今回のワリエラドーピング問題。
今回の参加承認の理由に16歳未満の未成年ということも考慮されたとある。
未成年だから出場OKという判断が今後どれだけ悪影響を及ぼすかわかっていない。
悪しき前例とはこのことだ。
しかもだ、ワリエラが3位以内に入った場合表彰式は行われないそうだ。
ということは今後の調査結果によってはメダルはく奪の可能性があるということだ。
これがどれだけ彼女の精神面にダメージを与えるか。
それに、坂本花織や樋口新葉がメダルを獲得しても表彰台に上ることが出来ない。
全くもっておかしな話だ。
訳が分からない。
ワリエラ選手に話を戻す。
16歳未満で保護下におかれるとされているが、どこが保護下なのだ。
本人に全く責任が無いとは言わないが、やはり周囲の人たちが禁止薬剤の摂取について注意してあげなければならない。
ある意味ワリエラも被害者なのだ。
世間の声の大部分は今回の出場決定には否定的だ。
本当であればワリエラは15歳なので、次回以降のオリンピックでも十分に活躍することが出来る年齢だ。
なので今回は出場を認めないとの判断をしても、次回に希望を持てる訳だ。
普通ならば・・・。
しかしここにロシアフィギュアスケート女子の闇がある。
とにかく短期で表舞台からいなくなってしまう。
どれだけのティーン選手たちが短期間で消えていったことか。
トゥクタミシェワは例外中の例外だ。
こういったロシア特有の傾向は、結局ドーピングという問題が根底にあるのではないかと疑ってしまう。
このままではオリンピックの存在価値は著しく低下するだろう。
今回のワリエラの出場容認はパンドラの箱を開けてしまったと言わざるを得ない。