オミクロン株の急拡大を受け日本が鎖国政策を取った時点で中止は必然だった。
開催される方が奇異に感じるし、世論は許さないだろう。
私個人的にも、鎖国政策の是非はともかく中止はやむを得ないって思いではある。
中止が選手たちに与える影響だが国によって事情は異なるが、日本に限って言えばそれほど大きな影響はないと考える。
最大目標のオリンピックはまだ先だ。
代表選考も事実上全日本一発勝負と考えて差し支えない。
GPシリーズはテレビ局やスポンサーの関係上、過大評価され過ぎているのだ。
こんなに早い段階で仕上げたらオリンピック本番にピークを持って行けない。
全日本で一度仕上げて、少し緩めて本番に向けて再び仕上げていくのが一番良い。
4か国もあくまで調整だ。
なので全くの私見だがGPファイナル中止は選手にとっては良かったと思っている。
ここまで何だかボヤキ親父のようなことを書いてきたが、少しオリンピックの展望を書いてみたい。
まず男子だが本命はネイサン・チェンに間違いないが、彼には平昌の失敗が必ずどこかにトラウマとして残っている。
世界選手権とオリンピックは全く違う。
パトリック・チャンはオリンピックで優勝したか。
否である。
ハビエル・エルナンデスはオリンピックで優勝したか
これも否だ。
オリンピックを制するには技術、戦術、体力、精神力、そして運。
全てが揃わなければ勝てない。
羽生結弦には全て備わっていた。
だから2連覇の偉業を成し遂げたのだ。
その羽生だが出てこれるなら(全日本は欠場しても選ばれるのは間違いない)オリンピック3連覇の可能性はある。
出て来れればだが。
彼の競技としてのフィギュアスケートはあと1戦が限界だと思う。
平昌同様、4大陸にも出ず本番直行だろう。
宇野昌磨と鍵山優真も当然候補で、4人の内3人が表彰台を分け合うのは間違いない。
続いて女子。
まずは紀平梨花だが、この時期の一頓挫は致命的になり得る。
彼女はシューズの紐の件やテープの件でもわかるように繊細過ぎるので、少しでも気になるところがあって試合に臨まなければならない場合は持てる力を発揮出来ない可能性が強い。
ルッツもフリップも完璧に跳べて、調子さえよければアクセルも難なく跳べるので、今の状態は気の毒としか言いようがない。
女子はロシア勢が強く紀平が万全の状態で初めて太刀打ち出来るというのが現状だ。
羽生のケースと異なり全日本出場は絶対条件だろうから何とか回復してほしい。
そのロシア。
オリンピックで表彰台に上るより代表選考会を勝ち抜く方が難しい。
最近は移籍問題がそこかしこで発生し、きな臭いニュースも流れてくるが圧倒的な選手層は凄いの一言。
トゥルソワが欠場しても5人のファイナル選手が居た訳で、これはとんでもない事だ。
その中で今回もオリンピック直前で凄い選手が現れた。
カミラ・ワリエワ15歳。
シニアデビューしたばかりなのに世界最高得点。
またも早熟?
いやいや、彼女のトリプルアクセルを見ただろうか。
加点を狙い、両手を高く掲げて軽々と3Aを跳ぶのを見てぶったまげた。
異次元。
4回転も彼女にとっては苦痛でも何でもない。
誰が付けたか「絶望」。
トゥルソワ、シェルバコワ、コストルナヤの3人娘もかすんでしまう。
北京の金は90%以上の確率でワリエワが取るだろう。
そう思わせる圧倒的な演技。
ロシア代表を勝ち取るためにハードな戦いを余儀なくされ、本番で抜け殻になってしまった場合のみ他の選手にチャンスが・・・そんな訳もなさそうな強烈な印象を残した。
次に身長が伸びても、問題なく対応するばかりか更に成長力を感じたトゥルソワ。
怪我さえ治れば対抗から逆転まであるかも。
いずれにしてもロシア勢表彰台独占が現実味を帯びてきたように思う。
ところで北京五輪は本当に開催されるのだろうか?
そっちが心配になってきた。