東京オリンピックが1年延びたので、来年北京五輪があることにピンとこない。
しかしそのことを改めて思い出させてくれるニュースが飛び込んできた。
紀平梨花選手がブライアン・オーサーの指導を受けるとのこと。
これがオリンピックシーズン突入直前の今決まったことに驚いた。
紀平選手が旋風を起こしたのが2018~2019年シーズン。
ザギトワが彗星のように出て来て平昌オリンピックを制した翌年だ。
国際大会6連勝を飾ったものの世界選手権で4位。
結果は残念だったが北京へ希望を持たせてくれるに十分の活躍だった。
あれから3年。
当初の期待からすれば物足りないというのが正直な感想だろう。
コロナ禍によりスケジュールが大きく狂ったことは確かに大きな原因だ。
しかしそれでも昨シーズンの世界選手権での出来は残念としか言いようがなかった。
クワドを回避しなければならなかったフリー。
あれが本当の姿ではないことはわかるが、神経質な部分がもろに出てしまって、結局得意なルッツまでダウングレードをくらってしまった。
オリンピック前の大事なシーズンを不本意な出来で終えてしまったことは北京に向けて大きなマイナス要因だ。
昨シーズンにクリケット入りも模索されたがコロナ禍で断念。
結局スイスを拠点にランビエールコーチに師事したが、クワドを完全に自身の武器にすることは出来なかった。
本人も何か変えなければいけないと強く思ったんだろう。
それが改めてクリケットクラブの門をたたくとの決断に至った訳だ。
日本に居ると常にマスコミから注目を浴びて過度なプレッシャーを受けてしまう。
拠点をカナダにすることでそういった点からは解放される。
練習環境は大きく変わると思うが、元々自主性が強い(と思う)紀平選手だけに、クリケットの自由な雰囲気は合うと思うし、家族的な雰囲気も感じられるので孤独に陥ることもないだろう。
北京に向けて勝負に出た紀平選手。
環境に恵まれたクリケットで紀平選手の更なる素質が開花することを願うばかりだ。