世界フィギュア女子シングルが終わった。
優勝はSPトップのアンナ・シェルバコワ。
紀平が失敗したのと、冒頭クワドで転倒したのとでその後は安全運転に徹した。
紀平が高得点を得ればプレッシャーがかかったが、精神的に余裕が出来たはずだ。
その余裕がクワド失敗につながったのかもしれない。
2位はトゥクタミシェワ。
彼女については何も言う事がない。
今回フリーの出来は悪かったが紀平が大きく崩れたこともあり2位という好成績。
トゥクタミシェワにとって世界フィギュア出場自体6年ぶりだったが表彰台も確保。
ティーン勢が次々と現れては消えていくロシア勢にあって彼女の活躍は特筆に値する。
ロシアではレジェンド的存在といってよい。
3位はトゥルソワ。
フリーだけなら1位。
SP12位からの巻き返しで総合3位まで上がってきた。
明らかに身体の成長期。
今までのようにはクワドを跳べなくなると思うが、フリーを見て今後芸術性は相当増してくると思った。
ロシア3人娘で北京で一番有望なのは結局トゥルソワのような気がしてきた。
日本勢では坂本花織が最上位の6位。
スピードは間違いなく1番。
最後コレオシークエンスまで衰えなかった。
正に弾丸娘である。
ダイナミックでスピードがある。
アクセルも遠くに跳べる。
数種類のクワドを跳べるが魅力のないプログラムに比べ、坂本のプログラムは間違いなく観客を引き付ける。
それが必ずしも順位に表れない。
記録か、記憶か。
フィギュアスケートは難しすぎる。
宮原知子にとって今年の世界フィギュアは苦い大会となってしまった。
フリーもトリプルは全てq判定、回転不足、ダウングレード。
宮原本人も何がどうなっているのか自分でもわからないのではないか。
ここまで積み重ねてきた物が崩れそうな心境だろう。
コロナ禍で思うように練習を積み重ねることが出来なかったのかもしれない。
開き直るか環境を変えるか。
ひとつきっかけを掴めば立ち直る時間はまだある。
そして紀平梨花だ。
う~ん、残念。
何が残念といって冒頭クワドに挑戦出来なかったこと。
挑戦しないことの負い目が冒頭の3Aが2Aに、続いて3Aの転倒に表れたと思う。
今年度最高峰の世界選手権でクワドが跳べない。
ここで跳ぶことが北京で確実に跳べる自信になるところだったが跳べない何かが紀平の身体か精神に出てしまった時点で今回は難しかったのかもしれない。
結局ルッツもダウングレード。
紀平らしさを全く出せなかったフリーだった。
幸い3枠確保は出来た。
ロシア勢はこれから身体的成長による壁が必ず出てくる。
幸い紀平にはそれがない。
改めて年齢を見ると驚くのだが紀平はまだ18歳!
北京までにまだ成長余地は十分にある。
多少神経質だが、今からそれを直すのは難しいだろう。
その繊細さがプラスに働けばと願う。
紀平は世界チャピオンになる資格は十分にある選手なのでいつかは到達して欲しい。
北京まで時間は無いようである。