世界フィギュア男子SPが終わった。
まずは鍵山優真に触れなければならない。
出場33選手中17番目、日本人では最初の演技者。
この世界フィギュアがシニア公式戦デビュー(GPシリーズは非公認のため)。
世界のトップが集う中でのシニアデビューとあって緊張するなという方が無理な状況。
しかししかし、やってくれましたねえ。
ジャンプは全て審議対象にもならず、加点も大きく貰って完璧。
軸も全くぶれてなかったので着地も安定。
こんなに簡単に4回転を跳んでいいのかしらって感じだ。
何しろ危なげないのだ。
ステップもスピンも全てレベル4!
100点越えはもちろんパーソナルベスト。
溌剌とした素晴らしい演技だった。
何度出場しても力を出し切れない選手が多い中、シニアとして初の大舞台でこれだけのことをやってのけるとは・・・持ってるよ彼は。
佐藤駿も刺激を受けているだろう。
宇野昌磨はまさかの3Aで転倒。
たらればを言うのは意味がないが転倒がなければSP日本勢上位独占も有り得た。
宇野選手は一昨年あたりから気持ちのバランスが崩れている気がしてならない。
フリーで何かを掴んで北京に向かって欲しい。
ネイサン・チェンは大失敗のSP。
冒頭のクワドルッツがq判定と転倒で大減点。
それにしてもq判定って昨日の紀平もそうだが、本当にわかるの?
これでリズムを崩したのか3Aを飛んだあとのスピンがよれよれのレベル2。
平昌のSPでは最後まで立て直せなかったSPだが、今日は違った。
最後の連続ジャンプで何と19.86点の荒稼ぎ。
これで何とか3位に踏みとどまって逆転の可能性は残したってところか。
そして羽生だ。
おそらくソチ以降で身体の状態はもっとも良いと思われる。
今シーズン試合に出られなかったのもプラスに働いただろう。
貫禄十分の王者の演技だった。
多少軸が傾いても着氷。
まるでエフゲニー「私絶対転倒しないので」プルシェンコみたいだ。
3Aは相変わらず世界一。
パーソナルベストには及ばなかったが上々の得点だ。
チェンとの差は8.13ポイント。
フリーは爆発力のある構成で挑むチェンだが、今の羽生には失敗するイメージがない。
2年前チェンに大差をつけられて2位に甘んじた羽生だが、その時とは全く違う。
フリーのジャンプ構成でチェンはルッツとフリップを組み込んでくる分、羽生よりベースとなる技術点は高いが、羽生の「天と地と」の総合的な美しさはチェンを上回る。
ジャンプで点を稼ぐチェンとトータル芸術性で魅せてくる羽生。
全日本のようにジャンプで加点をもらえれば、追い抜かれることはないだろう。
羽生の4年ぶり3度目の優勝が確実に見えてきた今日のSPの結果だった。