武豊は本当に絵になる男だ。
これほどに競馬が老若男女幅広く支持されるようになったのは武騎手によるところも大きいことに異を唱える競馬ファンはいないだろう。
何しろやること話すこと全てがスマート。
若いころから積極的にテレビに出て競馬のすそ野を広げてきた。
もちろんテレビに出て目立っているだけではない。
本業も輝かしい成績。
落馬の後遺症や社台との軋轢(と言われているが)などで一時精彩を欠いていたが、少しずつ調子を戻しキタサンブラックとのコンビでは完全復調を世に示した。
そしてダービーだ。
レース前からかなりの自信を表明していた。
昔から武騎手は言動と結果が一致することが多い。
煙幕を吐くことは絶対にない。
自信がある時は率直にマスコミに向けて表明する。
今回のドウデュースについてもダービーは特別のレースであり、チャンスだとはっきり述べていた。
レースは単騎逃げのデシエルトを先頭に少し離れてアスクビクターモア。
その後を10頭ほどが団子で集団を形成。
ドウデュースはその集団から少し離れた13番手を進んでいた。
身長の高い武騎手独特の美しいフォームはすぐに彼とわかる。
よほど自信がないとあの位置に平然とつけることは出来ない。
レース前も話していたが馬の状態が非常に良くて信じ切っていたことがわかる。
私は競馬という物は4コーナーまでは如何に馬をリラックスさせた状態で走らるかで勝負が決まると考えている。
それが出来ていればこそ最後の直線で騎手がゴーサインを出したとたん爆発的な末脚を披露することが可能なのだ。
ドウデュースも4コーナーを回って馬場の外側から武騎手のゴーサインで怒涛の追い込みを決めて最後イクイノックスの追撃を抑えて見事優勝。
自らの持つダービー制覇最多記録を6に更新したのだ。
ドウデュースの父親は有馬記念でディープインパクトが初黒星を喫したハーツクライで、2着のイクイノックスの父親がキタサンブラック。
競馬はブラッドスポーツという側面も見せてもらえて実に面白いダービーだった。
異常に速いタイムだったので脚のケアをしっかりして(これは全馬に言えることだが)凱旋門賞に向かって欲しい。
余談だが今回ダービーの枠順発表を見るまで、私、実はイクイノックスのことをずっと、イクノイックスと思い込んでいた。
いやはや(^^;)