何と言う壮絶な試合。
世界バンタム級統一戦、WBCチャンピオン中谷潤人対IBFチャンピオン西田凌佑。
日本人同士の対戦は過去のどの試合も、壮絶な戦いが繰り広げられたが、今回もまた期待を裏切らない、いや期待をはるかに上回る物凄いファイトとなった。
1Rから中谷は猛攻、猛攻、また猛攻。
形なんかどうでも良い。
もう喧嘩ファイト。
対する西田も負けていない。
対照的に、コンパクトなパンチを的確に決める。
見た目は中谷のぶんぶんと振り回すパンチの方が見栄えが良いし迫力十分だが、西田も打合いに応じて、12Rのペース配分なんて、両者全くお構いなし。
激しくて、中身が濃くて、見ているこちらも恐怖を覚える。
回が進んでも中谷はワイルドなパンチを出し続ける。
1発2発3発4発と西田のガードお構いなしに連続でアッパーを叩きこみ、左右のロングフックをぶん回す。
西田も切れ味鋭い右ストレート、左のボディを的確に決め、中谷はボディへの攻撃を嫌がるそぶり。
こんな戦いがずっと続く。
何なんだ、この試合。
死闘という言葉が陳腐に思える。
あまりにも凄すぎる。
5Rあたりから西田の右目が腫れ上がって、ほとんど塞がりかける。
一度ドクターチェックが入ったが、続行。
しかし6Rになると、いよいよで西田の右目が塞がってしまう。
5Rまでは西田も中谷の猛攻に耐えて、反撃を試みていたが、6Rは明らかに中谷攻勢の度合いが明らかになってきた。
そして6Rのゴングが鳴り、7Rに向かうインターバルの間、唐突に試合終了が宣言された。
西田の右肩が脱臼して試合続行不可能の判断。
右目もほぼ塞がってしまい、脱臼が無くても試合ストップは時間の問題だったと思う。
中谷選手これで2団体統一。
西田選手は無念の敗退、プロ入り初黒星となった。
リングサイドから見守る、堤聖也、武居由樹、そしてスーパーバンタムで中谷を待つ井上尚弥は今日の試合で何を感じただろうか。
世界バンタム級2団体統一王者 中谷潤人 31戦31勝(24KO)
IBF世界バンタム級前王者 西田凌佑 11戦10勝(2KO)1敗