100%サンデーレーシングの意向である事は間違いない。
石坂調教師は多くの重賞に勝利し、名伯楽と言って差し支えない。
多くの調教師の中でも積極的に地方交流や海外進出を行い成績も優秀だ。
しかし彼の経歴を見るとその異色ぶりに驚かされる。
競馬ファンが高じて調教師になったような感じで大卒である事も含めて稀有な例である。
もしかしたら我々庶民の競馬ファンの気持ちを一番理解してくれている調教師の一人なのかもしれない。
石坂氏としては何としてもジェンティルドンナを凱旋門賞に挑戦させたいと考えていたに違いない。
我々競馬ファンはジェンティルやオルフェーブル、キズナが凱旋門賞で走る姿を想像するだけでわくわくしてくる。
石坂氏もその事は充分に理解していたと思う。
しかしジェンティルドンナはすでに勲章を多く手に入れすぎた。
はっきりいってもうしゃかりきになって取りに行くGⅠはない。
だから海外?
いや、牡馬ならまだしも牝馬は繁殖にあがって良い子を産みその血を代々残していく事が大切だ。
海外遠征は多くのリスクを伴う。
そのリスクを承知で遠征しても勝つ確率はかなり低い。
初めからサンデーレーシングはジェンティルを凱旋門賞に挑戦させる気などないのだ。
それどころか秋も究極には仕上げてこないだろう。
もちろん持っている実力が群を抜いているのでそこそこの出来でも勝ち負けだろう。
だが繰り返すがジャパンカップはもう勝っている。
そこそこの出来で3着以内に来る確率が低ければ使わないだろう。
負けすぎるとジャパンカップ制覇の勲章の値打ちが下がる。
仕上げすぎるとデリケートな牝馬の繁殖としての生活に影響が出る。
ジェンティルは順調に行っても、秋天、ジャパンカップの2戦で引退となるだろう。
有馬記念はサンデーの他の馬との絡みもあるがまず使わないだろう。
私個人的にはジェンティルの活躍も見たいが、無事に引退してその子がGⅠを制覇する方をより見たい。