史上初の開幕2日順延。
この間、選手たちがどのように平常心を維持したのか知る由もありませんが、
挑戦者の立場を訴え続けた春日部共栄の無心に近い気持ちと、春夏連覇を目指す龍谷大平安の目に見えぬ重圧。
この両校の心理的な差が勝敗を分けたのかもしれません。
平安の先発は府予選準々決勝、決勝で完封勝利した2年生左腕元氏。
センバツ決勝でも5イニングを投げ勝利投手となっています。
2年生とは言え経験は十分すぎるほどなのに、やはり甲子園では何が起こるか分かりません。
先頭打者がヒットで出塁の後の送りバント。
これを自らの悪送球でピンチを招いた物ですから、完全に浮足立ってしまったんでしょう。
結局犠牲フライの1死をとっただけ、打者8人に対して5安打1死球1エラーで失点5。
考えられないような乱調でマウンドを降りる事になってしまいました。
春日部共栄の得点は初回のこの5点だけ。
平安打線は春日部共栄のエース金子から1点を返すのがやっとでした。
いきなりの波乱といって差し支えない結果。
元氏君のショックは想像に難くないのですが、2番手で投げた高橋君と共にまだ2年生ですので、
早く立ち直って、秋季大会で今度はセンバツ連覇を目指して投げて欲しい物です。
それにしても、現在大きな課題となっている投手の酷使。
投球制限、回数制限など投げすぎに対して制限を加える事で酷使を避ける方向に向かっている中、
投手複数制は各チーム大きな課題となっています。
平安は力の差が無い複数の投手を持っており、センバツはそれが見事に機能しました。
しかし誰をどのタイミングで使うのか。
継投の難しさなど、投手複数制は監督の力量を含め、多くの事が試されてしまいます。
リーグ戦ならいざ知らず、一発勝負のトーナメントではひとつ間違うと今日の平安のようになってしまう恐ろしさがあります。
春日部共栄も予選では4人投手を使っていますが、ポイントとなる試合では基本金子君がエースとして登板しています。
本多監督も迷いはなかったはずです。
平安は2番手高橋君が好投しただけに、結果論とは言え監督の頭の中には多くの思いが駆け巡っているでしょう。
私も基本一人の投手を酷使するのは反対ですが、複数投手を持つチームの難しさもまた浮き彫りになる現状を見るにつけ、ほんと高校野球は難しいと感じる次第です。
余談ですが春日部共栄の本多監督は高知高校がセンバツ優勝した時のメンバーで、その時の相手が原辰徳が1年生だった時の東海大相模。
そう、原貢監督の東海大相模です。
ここにも原監督つながりのチームがいたんですね。
関東やはり強いかな・・・。