女子フィギュアロシア勢、ソトニコワとリプニツカヤのソチ五輪金メダリスト二人が故障と引退危機で平昌五輪出場が事実上不可能になるという残念なニュースが相次いで飛び込んできました。。
ソトニコワ21歳。
本来なら最も充実の年齢。
彼女の成績を見ると、GPグランプリはファイナルに1回だけ出場で5位ですがそれはソチ五輪のシーズン。
ロシア選手権は7回出場で4-0-1-2と4回優勝、3位1回。
欧州選手権が2度出場で0-2-0-0。
世界選手権はソチの1年前のシーズン1回だけ出場で9位。
こうして成績を振り返ると、国内では常にトップの位置をキープしながら、ソチ五輪の前年あたりから欧州選手権、世界選手権、GPファイナルに出場しソチに向けて計画を立ててピークに持って行ったことがわかります。
プレシーズンに出場した世界フィギュアでは得点は思うように伸びませんでしたが、質の高い演技で本番で強敵となる予感が確かにありました。
故障さえしなければロシアのエースはメドベージェワでなく今も彼女だったと思います。
リプニツカヤは日本で人気者。
独特の柔軟性から生まれるキャンドルスピン。
失敗しないジャンプは忘れられません。
リプ兄といわれていたのが僅か4年前なんですね。
はるか昔のことのように思ってしまいます。
ロシアティーンの誰もが苦しむ身体の成長による大きな壁。
リプニツカヤはこの壁に苦しみ、その壁を越えることが出来ませんでした。
引退危機は拒食症が原因ということですが、オリンピックシーズン翌年、彼女は成長した身体によりバランスが狂い、問題なく跳べていたジャンプが跳べず、切れも失ってしまいました。
減量を試みたのでしょうが、それはもっともやってはいけない食事制限によるものだったということになります。
残念でなりません。
少し触れましたがロシアティーン勢が必ずと言ってよいほどぶつかる思春期の壁。
現在GPファイナル、ロシア選手権、欧州選手権、世界選手権をそれぞれ2年連続優勝しているエフゲニア・セーラームーン・メドベージェワ。
圧倒的な強さを誇りますが、彼女は17歳。
果たして大事なオリンピックシーズンの今年、どのような身体つきで登場するのか。
その姿を見るだけで、平昌での活躍を占うことが出来ると言っても過言ではないでしょう。
メドベージェワが好調を維持しておれば代表の座は不動。
残る2枠を誰が埋めるのか・・・。
候補としてはトゥクタミシェワ、ラディオノワ、ポゴリラヤということでしょうが、この内前述の4大会全てに優勝経験があるのはトゥクタミシェワ。
シーズンごとの波が大きいですが、今シーズンは好調な姿を見せてくれるでしょう。
彼女には身体的に成長して云々という心配がなく、3Aへの積極的な挑戦を試みるなど、他の2選手に比べて一歩リードしていると思います。
残る1枠は紙一重。
ポゴリラヤは安定してきましたが、昨年の世界フィギュアでの失敗が尾を引いていなければ、身長も伸びて失敗も多くなったラディオノワよりは上ではないかと思っています。
ロシアはザギトワ、ソツコワなども台頭してきましたが、経験の差で上記3人の牙城を破るのは難しいでしょう。
それにしてもソトニコワ、リプニツカヤの離脱は残念でなりません。
いよいよ大事な大事なシーズンがはじまります。