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将棋順位戦A級がえらいことになっている

将棋がスポーツかと言えば厳密には違うのでしょうが、戦う姿勢や、頭脳体力消耗具合などマインド的には十分その要素があると思って投稿します。

それに私は昔から、対局の独特な雰囲気、棋士たちのバラエティーあふれる個性が好きで、何よりいろんなタイトル戦があるというのが面白いと思っていましたので。

 

さて表題ですが佐藤天彦名人への挑戦権を争う順位戦A級がえらいことになっています。

2月1日に一斉対局が行われますが、現在の勝敗を記するとこうなります。

           順位※   勝敗   残り対戦相手

1位  豊島将之8段 10位  6勝2敗  三浦、広瀬

2位  佐藤康光9段  8位  5勝3敗  行方、屋敷

3位  久保利明王将  9位  5勝3敗  渡辺、深浦

4位  稲葉陽8段   1位  5勝4敗  行方

5位  羽生善治竜王  2位  5勝4敗  屋敷

6位  渡辺明棋王   3位  4勝4敗  久保、三浦

7位  広瀬章人8段  4位  4勝4敗  深浦、豊島

8位  深浦康市9段  7位  4勝4敗  広瀬、久保

9位  三浦弘行9段 11位  3勝5敗  豊島、渡辺

10位 行方尚史8段  5位  2勝6敗  佐藤、稲葉

11位 屋敷伸之9段  6位  2勝6敗  羽生、佐藤

ご覧のような大混戦。

今期は三浦9段が救済措置によるA級残留で11人の変則になっていますので対局数が揃いませんがトップが2敗で、3敗2名、4敗5名というのは稀に見る混戦模様です。

もし挑戦権争いが4敗まで降りてくると当然のことながら深浦までの8人に可能性が残るわけです。

もちろんそのためには現在1位の豊島が残り2戦を連敗することが条件ですが、5連勝と星を伸ばしてきた豊島がここ3戦で2敗したことを考えるとまんざら可能性が無いわけではありません。

残り対戦相手を見ると4敗同士で対戦が組まれているのは広瀬、深浦戦のみで逆に言えば両者の内どちらかは次戦で挑戦の可能性が消えてしまいます。

しかしそれ以外は2敗3敗の3人が4敗以下の棋士と対戦。

あと1局だけの4敗組羽生と稲葉は下位棋士との対戦。

可能性だけを考えると(豊島8段には申し訳ないですが)4敗で最大7人が並ぶ史上稀にみる状態となることもあり得る訳です。

もちろん残留争いもかかっているので、後がない下位棋士はそれこそ死に物狂いで勝ちに来ますので、上位棋士にとっても計算できる戦いでは全くありません。

残り2局の予想は全く立ちませんが、少なくとも2月1日の対局が終わるまでは可能性を楽しめるということで、今しか書けないこの記事を投稿させていただきました。

ちなみに3人以上同点の棋士が並んだ場合は順位下位の二人がまず対戦し、その後勝者が順位上位の棋士と対戦する方式(パラマス方式)で名人挑戦者を決めます。

プロ野球クライマックスシリーズと同じですね。

従って現在首位の豊島は、今期B級1組から昇給してきたばかりで順位が10位ですので、もし4敗でパラマス方式での決定戦になれば、いきなり対局に臨まなければならなくなり、挑戦権を得るまでに遠い道のりとなってしまうわけで、何が何でも残り2局を連勝して決定戦なしで挑戦を決めたいところでしょう。

さあ、2月1日の対局後にどうなっているか、楽しみです。

※順位→昨年の名人戦リーグの結果で決まる順位。名人戦敗者は自動的に1位、以下成績順に順位がついてB級1組からの昇進者2名が下位の順位に入ります。