第7戦カナダGP。
思えば昨年。
ホンダはここで新スペックPUの投入が出来なかったことでマクラーレン側が激怒し、契約解除の噂が一気に真実味を増した因縁の場所。
今年は満を持して新スペックPUが投入されました。
その結果は。
以下メルセデス、レッドブル、レッドブル、メルセデス、フェラーリ。
上から読んでも下から読んでも山本山という結果。
上位3チームの安定感は際立っているように見えます。
トロロッソホンダ勢はガスリーが決勝でグリッドペナルティ覚悟で、新スペックPUに戻し19番スタートからジャンプアップの11位フィニッシュ。
12番スタートのハートレーは1周もせずにクラッシュでリタイアという結果。
今回カナダGPではいくつかの検証が必要でした。
それは
①ホンダとルノーの新スペックPUの出来栄え。
②それがレッドブルの来年度使用PU決定に及ぼす影響。
③ブレンドン・ハートレーのドライビング。
ホンダにとっては来年、再来年までの動向にかかわる大きなポイントです。
まず新スペックについてですが、フリー走行で問題が生じ、予選で旧のPUを使用しながらも、決勝でグリッド降格のペナルティを受けてまで新PUに戻したガスリーの完走がなければ、全くデータが取れなかった訳で、ホンダにとってガスリーが19番から11番まで順位をあげたことで、結果としてある程度新PUが上手く機能したことを証明できたのは何よりでした。
ホンダはガスリーを絶対に手放してはなりません。
ガスリーはきっと近い将来、ドライバーズポイントを争うようになるでしょう。
対して解雇の噂が絶えないハートレーはまたしても完走出来ずリタイア。
予選で好調だっただけに気の毒ですが、問題は接触した相手が決勝16番スタートのランス・ストロールだったこと。
映像を見ると、あれだけ幅寄せされては壁への激突は避けられませんが、ハートレーは12番スタートなので、普通にスタートを決めておれば、スタートして僅かしか走っていないターン5で幅寄せされることなどありませんでした。
初めて走ったコースというのはあるでしょうが、そこはプロのレーシングドライバー。
同じく初めてのガスリーと、どうしても比べてしまいます。
ハートレーにとって幸いなのは、ドライバーを変えようにも変えられるドライバーがいないこと。
幸いクラッシュの後遺症もないようなので、2週後のフランスでは何が何でも結果を残さなければなりません。
厳しい状況に置かれていることは間違いありません。
※そのクラッシュの状況は以下の画面をクリックしてYouTubeに飛んでご覧ください。
Hartley and Stroll's First Lap Smash | 2018 Canadian Grand Prix
問題は②のレッドブルが果たして来季ルノー、ホンダどちらのエンジンを使用するか。
レッドブルとルノーの関係は良くないのは報道を見ても明らかです。
いろんな記事など読むと、よくもまあこれだけ仲が悪くてやっていけるなあ~
って思ってしまいます。
レッドブルにとってホンダと組めば資金面で余裕が出来るのでメリットは大きいと思いますが、肝心なエンジンの競争力が低ければ表彰台が遠のいてしまうというリスク。
昨年までの3年間のマクラーレン・ホンダを間近に見ている訳ですからね。
今回新スペックを投入したホンダPUの出来栄えはどうか?
相当注目していたことでしょう。
ルノーも新スペックを投入しましたが、現状はまだルノーに一日の長があるように思います。
現状でも3強に位置し、確実にポイントを獲得しているレッドブル(ルノー)。
一部報道にあるように2021年からポルシェと契約したいとするならば、あえて安定しているルノーを切ってホンダと手を組まないでも、あと2年間ルノーのままでいてもそれほどの後退はない可能性は高そうです。
とはいっても、同じくルノーが新スペックを投入したマクラーレンに結果が出ていないのもまた事実。
ホンダPUに合わせたレッドブル側シャシーの開発がはまれば前進が見込まれる訳で、エンジンメーカーどちらと契約を結ぶかはレッドブルにとってものすごく難しい判断になると思います。
もう時間がありません。
フランスGP終了あたりには発表しなければなりません。
果たして結論は!
そういったことを考えた時、ガスリーが19番手から11番までジャンプアップして完走したことはホンダにとって本当に大きかったと感じます。
レッドブルが検証するに十分なデータが得られたわけですからね。
いよいよ2週間後からは欧州ラウンド。
3週連続でグランプリが開催されます。
正念場です。