令和の時代の最初の場所が終わりました。
せっかく記念すべき場所なのに栃ノ心と朝乃山戦で、またも協会の悪しき体質が見えてしまったのは残念でした。
阿武松親方の(笑で済まされない)稚拙な場内説明もひどかった。
現役時代は小気味よい相撲で人気抜群でしたが、同一人物とは思えません。
阿武松親方だけでなく、協会に居る人たちは現役時代ファンの声援を受けて相撲を取ってきた力士ばかり。
ここはひとつ、ファンの立場に立って協会が抱える問題を解決して欲しいです。
今後の改善に期待します。
そんな中、今場所ついに近い将来の横綱候補が出現しました。
もちろんそれは朝乃山。
栃ノ心戦は誤審で勝ちを拾いましたが相撲内容は朝乃山が上だったのは事実。
何より見ていて雰囲気があります。
189cm158kg。
理想的な体形です。
相撲も王道の四つ相撲。
デビュー以来最も多い決まり手が、寄り切りで勝ち星の43%が該当。
寄り倒しや投げ技を加えると実に7割近くが組んでの勝ち星。
白鵬は先場所全勝優勝したものの大きな怪我で今場所休場。
さすがに、心の中では引き際を考えていることでしょう。
鶴竜も好不調の波が激しく、長く持つとは思えません。
若手力士にとっては今頑張らなきゃいつ頑張るの!との状況がずっと続いています。
ところがこの千載一遇のチャンスで駆け上がってくる力士が出てきません。
その先鋒を努めた貴景勝が22歳の若さで大関になり、押し相撲を極める存在を目指そうかというところで怪我により途中休場。
本来横綱に最も近い高安も(怪我の影響があるのかもしれませんが)目立ちません。
御嶽海は来場所15場所連続3役という類稀な安定感を誇りますが、大勝ちにつながらず、優勝した場所以外はハチナナかクンロク。
かつて将来を期待された遠藤は今や(怪我の影響はありますが)エレベーター力士。
逸ノ城も鮮烈な幕内デビューから早や5年経ちますが、腰痛の影響か壁を破れません。
照ノ富士も大きな怪我で現在は何と三段目・・・。(今場所6勝1敗)
とにかく期待の力士が怪我により低迷してしまうケースが多すぎます。
土俵を沸かせた炎鵬も怪我。
公傷制度がなくなった現在、無理して土俵を勤め悪化させてしまうケースも多いはずで、その辺も含めて抜本的な対策が望まれます。
そんなこんなで現在の幕内上位は正にモグラたたきの様相。
下位で勝越して番付が上がる。
上位にくれば負け越して番付が下がっていく。
この繰り返しです。
横綱が居ようが居まいがこの現象はほとんど変わりません。
これでは永久に横綱は生まれないのではと思ってしまうような状況です。
そこに表れたのが今場所優勝の朝乃山です。
令和の初めの場所で輝きましたねえ。
過去にも期待の力士をここで何名か名前を挙げさせていただきました。
恥ずかしながらそこには朝乃山関の名は掲げていませんでした。
何という眼力の無さ。
しかしここで遅まきながら自信を持って挙げさせていただきます。
朝乃山は横綱になる。
アメリカ合衆国大統領、日本の総理大臣。
この二人からトロフィーを受ける力士は二度と居ないでしょう。
彼は持ってます。
来場所は上位の勝越し力士を抜いて新小結確実でしょう。
相撲を見る楽しみがひとつ増えました。
(※文中の数字に関する内容は、相撲レファレンスを参照させていただきました)