大船渡高校の超高校級投手佐々木投手。
現在全国で最も注目を浴びている投手です。
岩手県大会でも評判通りのピッチング。
そして迎えた決勝戦。
國保監督は前日の準決勝で完投した佐々木投手を登板させませんでした。
「故障の予防」と回避理由を明確に述べた國保監督。
結果は2対12の大敗。
大船渡の甲子園出場はなりませんでした。
おそらく明日以降この決断に対し賛否の声が巻き起こるに違いありません。
私は國保監督の決断を支持します。
反対意見で最も多い理由はおそらく、大船渡は佐々木一人のチームではない。
佐々木一人の為に他の選手の甲子園の夢を犠牲にしてしまうとは何事か・・という論理ではないでしょうか。
それについては、ほとんどの選手は監督の決断に納得していると思います。
佐々木投手がいたからこそ、ここまでこれたと思う選手も多いと思います。
過去のどれだけ多くの投手が酷使によって将来性を奪われたことか。
私が投稿させてもらった記事をさかのぼって見ると、何と5年前に高校野球のタイブレーク、球数制限について書いていました。
ようやく最近タイブレークが導入されましたが球数制限は実現していません。
この進捗具合は牛歩の如きと言わざるを得ません。
今年新潟県が他県に先駆け球数制限を導入しようとしましたが、事実上高野連の横やりで断念せざるを得なくなりました。
高野連はいつまでこの問題を(結果として)放置するつもりなのでしょう。
今回國保監督が英断をくだしましたが、監督にここまで責任を負わせてはいけません。
一刻も早く高野連の責任の元に何らかの制限を実施するべきです。
球数制限を導入すれば野球が変わってしまうという声も聞きました。
何を言ってるんですか。
野球がどんどん変わってきたから、球数制限など考えなければならなくなったんです。
本当なら球数と連投制限をセットにして負担を減らすことも必要かと。
少しずつでも変えていかないと・・・もう放置ではいけません。
放置プレイは大人だけの・・・いや、何でもありません。
投手側だけからのルール変更が難しければ、試合での金属バットの使用禁止。
ストライクゾーンを最大限広くとるように審判団で統一する。
など打者側に制限を加えることで投手の負担を少なくするのも効果的です。
ひと昔前に比べ猛暑日増え、炎天下での大会もクレージー一歩手前です。
甲子園が聖地であることは理解できますが、複数球場を使用して日程に余裕をもたせることも課題としなければなりません。
学生野球、特に高校野球は勝利至上主義ではなく、あくまで人間性向上の学習の一環でなければなりません。
勝つことの大切さはもちろん理解できますが、負けて得ることは若い人にとって勝つことよりも大切な経験となります。
佐々木投手の決勝戦登板回避は改めて選手の健康管理、高校野球における勝利至上主義の反省を促す極めて重大な出来事だったと思います。
改革への大きなきっかけとなることを期待します。