影無茶のスポーツ24/7

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羽生結弦プログラム変更の理由を考察する

羽生結弦がシーズン後半になって異例のプログラム変更を行った。

今季ジョニー・ウィアープルシェンコへの敬愛を込めて取入れたプログラム。

シーズン前、羽生自身もその思いを熱く語っていた。

それがここにきてフリーに「SEIMEI」SPに「バラード第1番」への変更。

SEIMEIは3度目、バラード第1番に至っては4度目の採用である。

本当なら最後まで「Otonal」「Origin」で戦いたかったはず。

それがここにきて何故既視感がぬぐえない楽曲に変更したのか。

どう考えてもその理由はGPシリーズでチェンに、全日本で宇野に敗れてしまったことと考えるしか説明がつかない。

この両選手に勝つことが出来るプログラムへの変更。

これが最大の理由。

逆に言うとこれ以外になにがあると言うのだ。

しかしただ勝つためだけにシーズン途中で変更したという単純な物ではないはずだ。

過去幾多の壁を乗り越えてきた羽生。

今目の前にある壁は間違いなくネイサン・チェン。

その壁を乗り越えるのは北京五輪でも良いはずだ。

しかし羽生にはもう時間がないのである。

おそらく今季羽生の足の状態は近年になく良い。

けれども本人もわかっているはずだが、いつ時限爆弾が爆発してもおかしくない。

今度大きな怪我をすれば、年齢的にももう終わり。

そういった中、オリンピック2連覇、絶対王者の称号まで得た羽生にしてみれば、今のおかれている状況は許しがたいはずだ。

羽生が最も羽生らしく演技の出来る曲目。

「SEIMEI」と「バラード第1番」

これで最後の勝負に出たのであろう。

曲目が同じでも演技構成はまた別。

この中で足が壊れない限り、今出来る最高の演技を行い、そして世界選手権で表彰台の一番上に立つ。

羽生結弦の目標はそれしかないのだ。

北京五輪はもう眼中にないだろう。

小康状態を保っているとはいえ、足はもうボロボロ。

北京までは持たないと考えているのだろう。

4大陸で試運転も完了。

フリーではミスもあったが、原因ははっきりしており心配はない。

その4大陸で鍵山優真という新たな後継者も現れた。

宇野に鍵山、そのほかにも新たな息吹が感じられる昨今。

若い選手に後を託せることもわかってきた。

勝っても負けても今季限りで競技人生はひとつの区切りをつける。

羽生結弦はそう思ってるに違いない。

世界選手権。

羽生結弦の雄姿をこの目にしっかりと刻み付けることにしよう。