井岡VS八重樫以来10年ぶりの日本人同士の世界タイトルマッチ。
両者の対戦は例えて言えば、柔道の阿部一二三VS丸山城志郎。
本来もっと注目されなければならない試合だ。
最近ビッグマッチは地上波で放映することが難しくなってしまったようだが、今回は
Amazonプライム独占だったので幸い観戦することが出来た。
凄い試合だった。
期待以上と言っても過言ではない。
実力者同士の死闘だった。
初回から寺地は左ジャブから右ストレート、ワンツーとスピード豊かに攻撃。
対する京口はガードを固めカウンターを狙いながら、距離が詰まると右アッパー、ボディーを繰り出す。
スピードと手数は拳四朗だが京口もパンチ一発で形勢逆転がありえる怖さを醸し出す。
両者持ち味を存分に発揮しての戦いで勝敗の行方は全く予断を許さない。
素人目には手数が優る拳四朗が僅かに優位に見えたが、京口のパンチが拳四朗を捉える場面も目立ちジャッジの好みでどちらがラウンドを取っても不思議でない状況が続く。
そしてクライマックスが5Rに訪れる。
1Rから積極的に攻撃を仕掛ける拳四朗のストレートが京口を捉えダウン。
それまでに多くのジャブを受けていた京口はダメージを受けた様子。
これを見てフィニッシュに向かった拳四朗が京口のお株を奪うような猛攻。
京口怒涛のラッシュで拳四朗受け身一方となり一転して劣勢となる。
最後拳四朗がクリンチ気味に京口と身体が絡み合って両者リング上に転倒。
疲労困憊だ。
そこで立ち上がったところでゴング。
正に死闘。
これはもう年間最高ラウンドだ。
6Rは両者ダメージと疲労が残っており回復するためのラウンドだったが、蓄積は京口の方が多かったようで、7R2分過ぎに拳四朗が放った右ストレートで京口はロープにもつれるようにダウン。
明らかに危険な倒れ方で、レフェリーが京口を抱えて試合を止める。
寺地拳四朗WBAスーパーのベルトを奪取いて保持するWBCと2団体の統一に成功。
京口はプロ入り初黒星を初のダウンにより喫することになった。
しかし京口はこれだけダメージを受けていたにもかかわらず最後の最後まで逆転の一発が出る可能性を観ている者に感じさせた。
拳四朗は矢吹に敗れて更に成長した。
リング上でWBOチャンピオンのゴンザレスに宣戦布告。
3本目のベルトを狙うことを高らかに宣言した。
京口も敗れはしたがまだまだ強くなれる印象。
しばらく休養して心機一転リングに復活して欲しい。