9月30日に投稿した「先週の巨人」で優勝決定について書いた。
その時点では142試合消化だったが、10月2日最終戦が行われ、4対2で勝利し、全日程を終えることが出来た。
これを書いている時点で、まだリーグとしては全日程を終えていないが、既に1~4位までは順位が確定しており、即ちクライマックスシリーズ出場チームも、巨人、阪神、DeNAが決定している状況だ。
今年は史上稀に見る混戦だったが、最後に巨人が抜出して4年ぶりの優勝を飾った。
最終成績は77勝59敗7分。
最終的に貯金は18まで増えた。
6月までは5割あたりに留まっていたが、7月に入り貯金は順調に増えていった。
最大借金は4月7日、開幕8試合目の2。
その後は貯金1~5あたりで一進一退だったが、6月13日を最後に借金はなかった。
混戦の中、安定した戦いぶりで大崩れしなかったことが優勝につながったと見ている。
今回は各種記録を記載して、巨人が優勝に至った原因を考察してみようと思う。
月別勝敗
- 3・4月 13勝12敗3分
- 5月 13勝10敗1分
- 6月 9勝12敗1分
- 7月 14勝 6敗
- 8月 13勝10敗1分
- 9月 14勝 9敗1分
- 10月 1勝
- トータル 77勝59敗7分
6月以外は勝越し。
唯一負け越した6月は交流戦が行われていた。
巨人は交流戦の成績が、リーグ戦の最終順位と密接に関連していて、優勝した年は交流戦も必ず好成績だったが、今年は8勝9敗1分と良くなかった。
今季最長の6連敗もここで喫したものだ。
しかし7月以降巨人は徐々に成績が上向いていく。
実はこの時期、巨人にとって救世主が現れていた。
それがヘルナンデス選手。
加入前3週間と加入後3週間で得点力が1試合平均2点以上アップしたのだ。
ヘルナンデスが居なかったら・・・と考えるとゾッとする。
そのヘルナンデスが怪我で離脱したのが8月11日。
思わず阿部監督も心が折れそう・・・とつぶやく大アクシデントだった。
その穴を埋めたのがモンテスと浅野だった。
以後シーズン終了までこの二人は欠かせない戦力となったのだ。
打撃成績
規定打席到達者(443打席)
吉川 536打数154安打 .287 リーグ7位
岡本 535打数150安打 .280 リーグ10位
丸 525打数146安打 .278 リーグ13位
規定打席未達者(打席の多い順・100打席以上)
坂本 395打数94安打 .238
門脇 350打数85安打 .243
大城 283打数72安打 .254
岸田 269打数65安打 .242
ヘルナンデス 221打数65安打 .294
泉口 164打数33安打 .201
萩尾 149打数32安打 .215
モンテス 151打数41安打 .272
浅野 146打数35安打 .240
オコエ 138打数36安打 .261
佐々木 143打数33安打 .231
小林 105打数16安打 .152
チーム打率 4752打数1172安打 .247
全体的にシーズン前に期待した数字ではなかった・・・というのが正直な感想だ。
サードへのコンバートで打撃に好影響が及ぶと思っていた坂本の不振。
坂本サード転向の決断を後押しした門脇の不振(特に前半)。
岡本も合格点か?と問われると、物足りなさもあった。
点が取れず、阿部監督もオーダーに苦労し、打順が定まらなかった。
打力のある大城を一塁で起用したり、岡本を一塁、三塁のみならず外野も守らせた。
岡本にとってはたまったものではないだろう。
そんな中、吉川が全試合スタメン出場で打率もチームトップ。
9月以降は安打製造機の如くヒットを量産した。
守備でも坂本の穴を埋めて内野のリーダーとして好守を連発。
元々貴重な戦力だったが、この1年でさらに存在感を増した。
丸も昨年の不振を吹き飛ばす活躍。
シーズン当初猫の目のように変わったトップバッターに、5月以降は固定されて活躍。
個人的にも丸の復活には驚いた。
9月には岡本も復調し、大事な場面でのタイムリーやホームランが出るようになった。
若手も育ってきた。
浅野を筆頭に、佐々木、泉口、萩尾、中山など多くの選手が1軍で経験を積んだ。
秋広も阿部監督の叱咤激励の中、後半になって、その片鱗をみせつつある。
そして何と言っても、ヘルナンデス、モンテスの活躍を忘れてはならない。
それでも総得点の462点はリーグで4番目に過ぎない。
やはり今年巨人が優勝出来たのは、投手陣の整備が成ったのが一番の要因だ。
投手成績
先発投手(投球回数順)
戸郷 180回0/0 12勝8敗 防1.95
菅野 156回2/3 15勝3敗 防1.67
山崎 147回1/3 10勝6敗 防2.81
(ここまで規定投球回数クリア)
グリフィン 116回2/3 6勝4敗 防3.01
井上 101回0/0 8勝5敗 防2.76
赤星 75回0/0 1勝7敗 防3.12
堀田 51回2/3 3勝3敗 防2.45
高橋礼 46回2/3 2勝2敗 防3.66
横川 28回2/3 3勝1敗 防0.94
又木 10回1/3 0勝1敗 防6.10
今季先発投手陣防御率 844回0/0 自責点244 防2.60
昨年先発投手陣防御率 815回2/3 自責点286 防3.16
主な救援投手(投球回数順)
バルドナード 51回2/3 2勝3敗26H9S 防2.44
ケラー 47回0/0 2勝2敗20H1S 防1.53
大勢 41回0/0 1勝2敗5H29S 防0.88
船迫 38回0/0 4勝22H 防2.37
泉 37回1/3 2勝5H1S 防1.93
高梨 35回1/3 4勝3敗25H 防2.04
平内 33回1/3 1勝2敗2H 防2.16
西舘 30回2/3 1勝3敗20H1S 防3.82
大江 13回2/3 0勝0敗5H 防2.63
中川 12回1/3 0勝2敗7H 防8.76
今季ブルペン陣防御率 445回0/0 自責点112 防2.27
昨年ブルペン陣防御率 460回2/3 自責点195 防3.81
数字を見れば明らかだが、先発、ブルペン共に昨年より大きく改善されている。
特にブルペンの安定度は昨年とはまるで別チームだ。
昨年のウィークポイントをオフにしっかり補強した成果が出た。
ケラー、泉、ルーキー西館の新戦力の活躍。
大勢の復活に、バルドナードの頑張り。
高梨、平内も責任を果した。
近代野球は先発が6~7回を投げ、ブルペン陣が後を抑える。
これが勝利の方程式として確立している。
昨年30試合あった逆転負けは今年18試合(リーグ最少)に減った。
先発陣では戸郷が確実に1本立ち。
もちろん菅野の復活は優勝の最大要因と言って良い。
終わってみればチーム防御率は先発・ブルペン・全体全てリーグ1位となった。
この安定した投手陣と、リーグ随一の守備陣(リーグ最少の失策58)。
2位阪神の失策が85だったことから、1位と2位の差はエラーの差と言っては、極論に過ぎるかもしれないが、投手を中心とした守りの堅さが優勝に結びついたのは間違いないだろう。
このように数字を見ていくと、優勝の要因が見えてきた。
これからクライマックスシリーズが始まるが、ペナントとは全く違う短期決戦なので、いかにコンディションを整えて良い状態で試合に入れるか。
もうしばらくプロ野球を楽しませてもらおう。
※一部の数字はヌルデータを参照させていただきました。