1年納めの九州場所が間もなく始まる。
人気は上々で、九州場所では28年ぶりに15日間札止め、完売となったらしい。
貴景勝引退の寂しいニュースもあるが、新大関大の里に、再入幕を果たした尊富士の存在は場所を盛り上げるに充分。
今年ここまでの5場所は照ノ富士、大の里が各2回、尊富士が1回と3力士で優勝を分け合っている。
照ノ富士は令和5年以降、千秋楽まで勤め上げた3場所は必ず優勝。
逆に言えば、ほとんど休場しており、それはさすがに多すぎる。
初場所は進退を懸ける場所にしなければならない。
ここまででも立派に横綱の責任は果たしたと思う。
照ノ富士休場のチャンスを活かしたのが大の里と尊富士なのは、新しい波が角界にいよいよ押し寄せてきた証だろう。
という事で、今場所の注目は何と言っても、新大関大の里と再入幕尊富士。
初優勝時は共にデビュー最速記録だった両力士。
大の里はそのままの勢いで、史上最短、初土俵から9場所での大関昇進。
尊富士もまた、関取になって5場所だが、休場した2場所以外全て優勝。
来年の角界はこの両力士を中心に回っていくのは間違いない。
ここからは番付順に見てみよう。
東大関琴櫻は令和4年以降の17場所で途中休場の1場所を除いて16場所勝越し。
内、実に8場所で二桁勝利。
豊昇龍も令和4年以降17場所連続勝越し。
内9回の二桁勝利は琴櫻を上回る。
これだけ安定しているのに影が薄いのは、大の里の勢いに呑まれているに他ならない。
この両大関が存在感を見せてくれれば、九州場所は更に盛り上がる。
この5力士から優勝力士が出るだろう。
3場所関脇を務めた阿炎が5場所ぶりの負け越しで三役陥落。
期待の平戸海も1点負越しで小結陥落。
変わって若元春が3場所ぶりに三役返り咲き。
大栄翔も関脇復帰。
さらに正代が2場所連続二桁勝利で、9場所ぶりの三役。
実力派が揃った。
怪我で幕下まで陥落した若隆景が幕内上位に戻ってきたのも嬉しい限り。
加えて上位に宇良、熱海富士、翔猿、陥落の阿炎、美ノ海、など役者が揃う。
ここにきて、新旧交代の動きが急な大相撲。
納めの九州場所でその傾向が益々顕著になるか、それともベテランが阻止するか。
場内大歓声の熱戦必至の九州場所。
開幕が待ち遠しい。