昨年10月20日。
村田諒太の夢が遠のいてしまった日。
ロブ・ブラント相手にWBA世界ミドル級チャンピオンとして2度目の防衛戦。
それは夢にまで見たゲンナジー・ゴロフキンとの対戦への通過点だったはずでした。
ところが完璧に仕上げてきたブラントに完敗。
この結果を受けて村田はどんな決断をするのか。
村田が現役続行を表明した12月4日のコメントをそのまま記させていただきます。
「人生を振り返った時に、あのボクシングが自分の集大成でいいのかと考えた時、あのボクシングで終えたくないと思った」
「少しハングリーさだったり、求める物が欠如していたのかなというのもあります。そのあたりの気持ちを作り直して、もう一度世界の舞台に立てるようなボクサーになりたい。」
エンダム戦で一度折れた心を復活させ見事チャンピオンベルトを手に入れた村田。
このままでは終われないという気持ちが沸々と湧き上がってきたのでしょう。
プロモーターボブアラムは再戦を示唆していましたが、正直実現するとは思っていませんでした。
エンダム戦のダイレクトリマッチは明らかな疑惑の判定による正当なもの。
しかしブラント戦は誰が見てもはっきりとわかる完敗。
通常、あれだけはっきりとした敗戦後に再びグローブを交えることはありません。
様々な思惑もあったのでしょうが、村田にとってはチャンス到来。
しかし選手生命を賭けた戦いとなるものまた事実。
ブラントは村田戦勝利後、無敗の挑戦者ロシアのカサン・バイサングロフに11RTKOで初防衛に成功しています。
村田はブラント戦以来の試合。
せめて間に1戦挟んではと思いますが、ダイレクトの方がより敗戦の悔しさをブラントにぶつけられるのかもしれません。
もちろん村田に勝って欲しい。
当然応援します。
しかし現実は相当厳しいと言わざるを得ません。
再戦の場合、たとえ僅差であっても、多少疑問と思える結果でも、敗れた選手が返り討ちに合うケースが圧倒的に多いのは歴史が証明しています。
前回のブラントは最高の仕上げで挑んできました。
村田の研究も十分にしていたようです。
スピード、手数の多さ、戦略、どれをとってもブラントが上でした。
この相手に勝つためには、村田自身ボクシングを大きく変えていく必要があります。
パンチは一級品。
相手を一撃で倒すパンチは確実にブラントを上回ります。
その重いパンチをフィニッシュブローとするために、手数を増やさないといけません。
今回はチャレンジャー。
攻めるしかありません。
ブラントのスピードに負けずとにかく攻め続ける。
ダメージを蓄積させて、後半に必殺右ストレートをブラントの顔面に叩き込む。
そういったシーンを見せて欲しい。
そう願わずにはおられません。
試合は7月12日。
決戦は金曜日。
チャンピオン ロブ・ブラント 26戦25勝(17KO)1敗
挑戦者 村田諒太 16戦14勝(11KO)2敗